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王子の甘い罠
【女性向け 官能小説】

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「で?説明してもらいましょうか?すみれさん」

次の日の昼休み、11時55分に海外事業部まで私を迎えに来た真樹が
絶対に逃がさないわよ!と目が物語っていた。

「何?」
食堂を回避し、近くの定食屋でご飯を食べた私たちは
会社の人間がいないことを確認して話しを始めた。

「昨日の事よ!もう噂になってるわよ」
「・・・早いな」
「当たり前!うちの部の王子なんですからね!」

エセだけどね。

「すみれってば、エントランスで王子を捕まえて
居酒屋に連れ込んで、高飛車に手にキスさせたんだって?」
「はぁ?」

「帰りは王子にカバンを持たせたらしいじゃない」
「・・・・」

「すみれってば、いつうちの王子と仲良くなったのよ!」

鼻息も荒く私に問い詰めるけど。
真樹さん、あなた王子王子って。彼氏がいるでしょう。

「別に。私の本を拾ってくれたから。お礼をしただけ」
「本って・・・あの?」

真樹は過激な官能小説?とビックリした。

「そう。それ」
「すみれ、王子って確かフランス語堪能よ?」

私が他の人に読まれないのをいいことに
かなり過激な官能小説を読んでいると知っている。

「うん。バレた」
「バレた・・・」




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