夜の蜘蛛-3
布地の少ないそれを床に投げ捨てた時、水っぽい音がした。
ジルはそれをじっと見ていた。
ハッハッと短い呼吸に口元から零れた長い舌、目は爛々と輝き股間ははち切れんばかりにいきり勃っている。
ここ20年程、銀の民の若者達の中である病気が流行りだした。
突然、獣の本能が露になるのだ。
普通に道を歩いていたのに突然震えだして咆哮をあげて暴れたり、誰構わず襲いかかったり。
酷い時には数十人の死者を出した事もある。
突然発作を起こす者も居れば、何かのきっかけで起こす者も居た。
ジルの場合、血を口にする事で発作が起き、手当たり次第犯しにかかる。
女性はそれを知っていてわざとジルに発作を起こさせたのだ。
「ホラ、楽しませてよ」
女性はジルの肉棒を取り出すと、自分の秘裂に当てがう。
ジルのモノは自ら出した液体と女性から流れる液体でぬらぬらと濡れていた。
「グウゥ」
ジルは唸り声をあげて腰を動かし、女性のソコに自身を擦り付ける。
勝手に挿れたりしないのは、さっき女性がジルの首を噛んだからだ。
獣の世界では首を噛んだ方が上位に立つ。
ジルは発作を起こす度にこの女性に首を噛まれていた。
何度も何度も発作を起こして、その度に首を噛まれ、主従関係が骨にまで染みていた。
だから、どんなに酷い扱いを受けても決して逆らう事が無いのだ。
「ガウゥッ」
それでも発作が苦しいのかジルは牙を剥いて挿入を促す。
「くふ」
女性はニイッと口角を上げて一気に腰を落とした。
ぐぷぷ
「グアゥ」
「ハハッ」
女性は狂った様に髪を振り乱して腰を振り、ジルは快楽に身を任せて突き上げる。
「ハハッァハハッ良い。良いよ。もっと、もっとだよ」
女性の爪がジルの胸に食い込んで血が滲む。
「フフ、アハハ」
女性の目が異常な程に輝き、動きが大きくなる。
「ガァッ」
ジルが一声吠えて精を吐き出した。
「アハハ、まだだよ」
それでも女性は動きを止めず、ジルも萎えない肉棒を更に突き上げる。
女性とジルの結合部からは逆流した2人の体液が溢れて泡立ち、ジルの血と混ざりあっていった。