投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

プラネタリウムの最初へ プラネタリウム 69 プラネタリウム 71 プラネタリウムの最後へ

H.-10

「ポテサラうめぇ!」
ごめんなさいの気持ちで買ってきたポテトサラダを湊は豪快にかき込んだ。
「駅前のお惣菜屋さんで買ったの」
「他もなんか売ってんの?」
「うん、他にも色んなサラダあったよ」
「んー、まぁでもやっぱポテサラだな」
湊は美味い美味いと言いながら盛られたポテトサラダを食べた。
「んー!オムライスも美味い!やっぱバターライスだな」
「バターライスのもいいね」
「今度オムライスフェア的なのやるんだけどさ、お前も来いよ」
「へ?」
「ランチでやんの。色んなのあるからさ。ちょー美味いの作るから来いよ」
一人で行くのもなんだしなぁ…と思いながら口を動かす。
第一、誰と行けばいいのか分からない。
誰と行けば場違いじゃないか…。
そうなると、真っ先に消去されるのは同期たちだった。
が…。
「あ、水嶋とか誘えば?お前ら同期仲良しだし」
「えぇ?!あ、うーん…そーだけど…あたしたちうるさいからお店の雰囲気に合わないかも…」
これは本音だ。
ホントにはしたない集団だということは重々承知だ。
きっと行けば、瑞希がワインを頼み豪快に飲んで酔っ払い、七瀬もそれに乗っかり律と青葉が冷や汗をかき、楓がその場をまとめ、自分は眠るというオチが目に見える。
いつものパターンだ。
「い…行けない」
「なんでよ?」
「大体、6人もいたら勤務合わないもん。誰かしら夜勤だし」
っていうか、同期全員連れて行ったら店が大変なことになる…。
「そ」
湊はつまんなそうにすると、オムライスを頬張って「つまんね」と呟いた。

一通り平らげた後、湊は冷蔵庫からcoronaの瓶を2つ取り出した。
「あー、また飲むんだ」
「休みの日ぐらいはリッチにいかせてよ。ひなも飲むっしょ?」
「うん、ビール好きだから飲む」
湊は陽向の瓶の蓋も開けてやると「お疲れ」と言ってソファーで体育座りをしている陽向に瓶を渡し、カチンと瓶同士を合わせた。
「あははっ。お疲れ」
陽向は一口飲んで「んまい!」と笑った。
「たまに飲むと美味さ感じるな」
湊は陽向の隣に座りcoronaに口を付けた後、そう言った。
「そうですなぁ」
しばらく2人でテレビに見入る。
世界の仰天ニュースが近頃2人のお気に入りで、毎週見ている。
勤務が合わない日は録画して時間のある時に見ている。
今日の特集は整形に失敗した人達の話だ。
食い入るように見て、CMになった途端、2人で「ぁんだよー!」と続きを知りたがる。
一緒に「マネすんな!」と言い合うのも日常茶飯事だ。
CMが終わり、陽向はソファーに体育座りをしながらクッションを抱きしめ、湊はその隣で脚を広げ膝の内側に腕を付き指を組みながら続きを見る。
同じところで同じようなリアクションをし、同じところで涙を流しそうになりながら番組の終盤を迎える。
「んー、最後の話良かったねぇ!」
陽向の視界はもうグルグルだ。
お酒が弱いっていうのは、損だな。
真っ赤な顔をした陽向を見て湊が「お前そんな弱かった?」と笑う。
「ちょっと久しぶりだったから……あ、でも湊まだ飲み足りないよね?」
フラフラと歩いて冷蔵庫に向かう途中、湊にガッシリと抱きしめられる。
「疲れてっから、酔い回ってんじゃねーの?」
「…んー、そうかも」
「ま、そのまま寝かせねーけど」
湊は陽向を軽々持ち上げると、そのまま隣の寝室に連れて行った。
布団にゆっくり下ろされ、腕を強く布団に押し付けられる。
「い…ったい!湊っ!ちょ……ったい!ってば!」
ぼやんとした頭で逃れようとするが、湊が発した一言で冷静になる。



俺以外の男と何しちゃってんの?




プラネタリウムの最初へ プラネタリウム 69 プラネタリウム 71 プラネタリウムの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前