勘弁してよ-6
「無理に決まってんだろ、そんなの! そんな怪しい会社、絶対無修正の動画を売りさばくに決まってる!」
「えー、そうかなあ。ちゃんとメイクもして、すごい綺麗に撮ってくれるなら、やってみたいけど」
「…………」
首を傾げる里枝の様子に、呆れるを通り越して怖くすらなった。
確かにハメ撮りをしようと提案したのは俺だけど。
「料金も良心的だし、場所もスタジオが嫌ならどこかのホテルとかでも大丈夫みたいだし」
ノリノリで話す里枝が遠く感じた。
セックスレスを解消し、エロに目覚めてくれたのは嬉しいけれど、ここまでは望んでいない。
「ね、やってみようよ!」
キラキラ目を輝かす里枝から目を逸らした俺は、
「勘弁してよ……」
と小さな声で呟くだけだった。
完