愛のあるフェラチオ-2
公園で美山のことを話したときも、他には危険な目に遭ったことはないのかと何度も尋ねてきた。
危険、か。
とりあえず「ない」と答えた。
結果的にはいま現在無事でいるわけだし、危険というならあんな遊び方をしていることそのものが危険である。
いつ死んでもいいという覚悟もないのなら、最初からあんなものに手を出すべきではない。
「じゃあ、いま僕以外で連絡を取っている男は何人いるの?」
「えー……いない。ユウだけ」
「いや、そういうのいいから。本当のこと教えて」
なんでこんなことに食い下がってくるのだろう。
首をかしげながら、心の中で男たちの顔を思い浮かべた。
ああいう出会い方をした連中は、こちらから連絡をとらなければ自然に消えていく。
ここしばらく放置しておいても電話やメールが来るのは、美山、坂崎、英輔の三人だけだった。
「二人か三人、くらいかな」
「わかった。じゃあ、その人たちとは電話くらいならしてもいいから、もう絶対に新しい人に会いに行かないでほしい」
「……なんで?」
「さっきの話を聞いてさ、もしもまたそんなことがあったら……とか考えると、本気で心配で死にそうになるから」
ぎゅうっと肩が壊れそうなほど強く抱きしめられながら懇願され、桃子はあいまいに返事を濁した。
ユウは精一杯の譲歩をしているつもりなのだろうが、新しい人とはともかくあの三人と今後いっさい会わないなんてことは無理だ。
出来ない約束などするものではない。