遭姪輪廻 ☆-1
愛らしくも清らか…… だった“姪”の秘密を知り得た時、叔父は嫉妬の炎に身を焦がしひとり身悶える。
狂おしい程に欲する存在(恵利子)に想い巡らせ、繰り返し巡らせるる中、その男は深い眠りへと誘われるのであった。
幾つもの想いが自身の中を巡り、巡り続けるのである。
不思議な感覚に囚われながら、何故かその意識は過去へと帰結するのである。
それは2002年の秋
俺は目前に迫った大学受験のプレッシャーに押し潰されそうになっていた。
常日頃より唯でさえ優秀な姉(恵利子の母)と比較されながら……
その日は起床時より下腹部に息づく分身が、痛い程に熱く滾り欲望の吐出先を求めていた。
考えてみれば長きにわたる禁欲生活から、異常な精神状態に追いつめられていたのかもしれなかった。
「○○、起きてるの? 母さんたち出掛けるけど、昨晩頼んだことお願いね」
観劇に外出する両親は、間際に再度念を押す。
「あっ!? あぁ、解っているよ、母さん」
それに気の無い返事で返す俺。
(時には自分を赦す事も必要であろう。今日は丁度良い機会なのかもしれない)
両親が出て行った直後遅めの朝食を摂りながら、今日一日の予定を変更する事を自身の中で確認する。
陰茎の滾りは一向に治まる気配を見せず、とても“抜かず”には済みそうになかったのである。
《ああぁ、犯(や)りたい……》
自室でロリコン物のアダルトビデオを前に、俺は二ヵ月振りの自慰に耽っていた。
モニターに映り込む“少女擬き”に、恋い焦がれる少女を重ね合わせながら扱き続ける。
いつの頃から俺は姉の娘に対し、想いを馳せ歪んだ欲望を募らせる様になっていた。
姉の娘…… つまり俺にとっては、姪にあたる存在となる。
その関係性故叶わぬ恋と解ってはいたが、それがいっそう俺を深みに嵌めていく事になる。
《ああぁ、犯(や)りたい…… 恵利ちゃんを自分の物に、自分の物にしたい! その為なら…… 》
当時まだ小学5年生の少女に対し、俺は尋常ならざる想いを募らせていた。
到底セックスなど叶わぬ幼気な少女を思い浮かべながら、射精直前まで扱きながらも吐出を赦さず、昼食を摂る暇も惜しみながら延々自身を虐めぬく。
俺は数時間にわたり愚行を続けながら、かつて目にした事のある雑誌の記事を想い起していた。
それにはあるア○○カに在る部族の求愛方法が記されていた。
それによれば部族の男性は想いを寄せる女性に対し、如何に自身の精力が強いかと言う事をアピールするらしいのだ。
その方法と言うのが一見滑稽に見えるが、種の保存と言う観点から言えば的を得ていて興味深く印象に残っていた。
男性は女性を前にマスターベーション、つまり自慰を行うのだが決して射精する事無く、射精直前まで高めては鎮めを延々と繰り返すと言うのである。
馬鹿げているとも思えなくも無いが、これはある意味拷問に近い自制心の鍛練と、それに比例した精力(体力)を必要とするとも思える。
その後に記されていたウンチクについては忘れたが、記事の最後には長年求愛を続けるも受け入れられなかった男性が、女性を前に上記行為を12時間続け遂には想いを受容れられると言う件があった。
それを真似る事で想いが届くとは思っていなかったが、途中休憩を挟みながらも3時間近く扱き続け、虐め続けた陰茎に一度目の“赦し”を与えようとしていた。
「えっ、えりちゃん…… 」
情けなくも切なげな声をつい漏らしてしまう。
『ガタッ』
それとほぼ同じタイミングで、自身の後方である部屋のドアから衝撃音を感じる。
ヘッドホンを着用し大ボリュームでエロビデオ観賞に耽りながらも、その違和感は一瞬で俺を現実世界へと呼び戻す。
振り返るまでのコンマ何秒の間に、昨晩両親から言いつけられた内容と今朝母親から再確認された事を思い起こしていた。
《○○、明日、香姉さんが午後から訪ねて来るから、これを渡してね》
《○○、起きてるの? 母さんたち出掛けるけど、昨晩頼んだことお願いね》
振り向き終えるまでに俺の脳裏には、嘲る姉の表情が思い浮かんでいた。