嫉妬と欲望の夜-8
荒々しさは影をひそめ、優しい表情が戻っている。
しゃくりあげながら泣く桃子の汗にまみれた背中を、慰めるように何度も撫でていく。
「あはは、ごめん、ごめんね。桃子」
「……ひどいよ、こんなの」
「桃子が泊って行かないっていうからだよ。夜をひとりで過ごしたくないのは、ユウくんだけじゃないのに」
「英輔くんは、ほかにいくらでも……」
「エッチしたいだけなら、そういう商売の子を呼べばいいだけだから簡単だけどさ。桃子みたいに話の合う子を探すのって、けっこう難しいんだ」
なのにユウくんが独り占めしようとしてるから、ちょっと意地悪してやりたくなる。
英輔はそう言いながら、桃子をソファの上に押し倒した。
再び勢いを取り戻した肉塊が、さっきよりもさらに深い場所まで刺し貫いていく。
「やっ……! も、もういいじゃない、今したばかりなのに」
「やっぱり今日は帰したくないなあ、泊っていきなよ。どうせ中までこんなにグチョグチョになってたら、今日はユウくんとエッチできないよね?」
「そ、そういう問題じゃないの、帰ってあげないとあの子……」
少し前から気付いていた。
テーブルの上で、スマートフォンが振動を続けている。
あんなにしつこく鳴らすのは、ユウしかいない。
いつのまにか、窓の外は暗くなっている。
「過保護にするのはよくないよ。今夜はあとで桃子の好きなフレンチの店に連れて行ってあげるから」
もう何を言っても英輔は聞いてくれない。
嫌がるのを愉しむように、数えきれないほど膣内に出し続ける。
桃子がやっと解放されたのは、翌日の昼に近い時刻のことだった。
(つづく)