車の中の淫事-4
パタン、と助手席のシートが倒される。
ドアを開けようとしていた手が押さえつけられ、短いフレアスカートがめくり上げられた。
あっ、と思う間もなく両脚の間に美山の手が潜り込んでくる。
パンティが引き下ろされ、恥ずかしい割れ目を強引に押し開かれていく。
ユウはまだ桃子たちに気付いていない。
どうしよう。
焦る。
唇を重ねようとする美山から顔をそむけ、桃子は体を捩じって抵抗した。
「やっ、やだ、ちょっと待って。今日はしないんじゃなかったっけ?」
「気が変わった。大丈夫、最後まではしないから」
「な、なんで? あっ、や、いやっ」
「何だろうねえ……ユウくんの顔を見たらさ、桃子ちゃんの体についた他の男の跡とか見せてやりたくなってきた」
だからさ。
ぐちょぐちょに濡らして、キスマークだらけにしてから帰してやるよ。
美山がこれ以上ないほど楽しげに囁いてくる。
透き通るように綺麗な声。
体の力が抜ける。
いけない。
ユウがすぐそこにいるのに。
こっちに気がついたら。
面倒だから。
……本当に、面倒なだけ?
首筋に強く口づけられた。
何度も、何度も。
擦られているうちに、敏感な粘膜がだんだんと湿り気を帯びてくる。
狭い空間に、くちゅっ、くちゅっ、といやらしい音が鳴り響く。
触られてもいない胸の先が、下着の内側で硬く尖っていくのがわかる。
ぞくぞくする。
鳥肌が立つ。
下腹の奥のほうが熱く疼き始め、腰が勝手にくねってしまう。
女の子みたいに見えるくせに、当りまえだけれど美山の腕力は男そのもので。
自分の非力さを思い知らされる。
でもこういうやり方を、決して嫌いではない自分がいる。
頭がくらくらする。
欲しい。
もっと、欲しい。
あ、あ、とかん高い声が漏れ始める。
堪えられなかった。
美山が桃子の薄いニットを下着ごとたくしあげながら、サディスティックな笑みを浮かべる。
ふるりとこぼれでたささやかなふくらみが、街灯の光に晒される。
「あはは、いけないんだ。桃子ちゃん、彼氏の前でそんな声出しちゃって……こんなに乳首もビンビンに勃たせちゃってさあ」
薄桃色の乳頭に唇がつけられる。
ぬるりとした舌先で乳輪をたどられるだけで、びくんと背中が跳ね上がった。
「か、彼氏じゃない……あ、あっ、舐めちゃだめ……」
「ええ? でも毎日みたいにエッチして、あちこち一緒にデートしてるんでしょ? そういうのを世間では彼氏って言うと思うんだけど」
ちゅっ、ちゅっ、と乳首を吸われながら、探り当てられた膣口に指先を押し込まれた。
濡れた襞を引っ掻くようにしながら擦られるのがたまらない。
胸の小さな突起が美山の口の中でぷっくりと膨らんでいく。
ユウはまだぼんやりと立ったまま手元の携帯電話を見つめている。