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〈生贄の肉・二つ〉
【鬼畜 官能小説】

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〈蠢動〉-2

{ウチの高校スか?良い女は居るスけど、みんな彼氏持ちっスよ}


期待外れな返答に男は苛立ち、目を吊り上げてスマホを握りしめた。


『……あ?テメェ、使えねえ奴だなあ……俺が質問してる意味分かってんのかよぉ?』


電話の向こうの男は怒声に怯えたようで、小さな悲鳴が聞こえてきた。


{すッすいませんです。でもマジっス!マジっス!……あ!?中学校の同級生には真面目で可愛い女が居たっス!これマジっス!}

『さっきから「スっス」「スっス」煩えんだよッ!で、その中学ん時の女ってのはどんな奴なんだよ?』


誰かを教えなければ自分がヤバい。と、テンパった通話相手は、記憶の中から一人の同級生を手繰り寄せた。


{武野玲奈っていう女っス!同期の中じゃ一番可愛くて、俺も“ダチ”も告ったんスけど、なんでもシスターになるとか言ってて、全然話にもならなかったっス}

『……へえ〜、イイ女知ってんじゃねえかよぉ……卒アルに住所と顔と載ってんだろ?俺に伝えろ』

{じ、住所を今から言うっス。〇〇市△△町……}


伝えられてくる住所を男はオウム返しに声に出すと、助手席の男はスマホのナビゲーションシステムに打ち込んでいく。
あっという間に、その少女の自宅は特定されてしまった。


{電話切ったら写メで顔写真を送るっス。多分、気に入ってくれるとおもうっス}

『ああ、頼むわ……そうだ、もし“気に入った”ら、後で小遣いやるからな』


男が通話を切ると、直ぐに写メが送られてきた。

如何にも卒アルというような作り笑顔の其れは、しかし、その美貌は些かも損なわれてはいなかった。


『見ろよ……コイツはシスターに成りたいって、男を撥ね除けてたそうだぜ。顔の方も中々じゃねえか?』

『じゃあ処女は確定だろうな……結構イイんじゃねえか?ちょっと芋臭えけど、コイツは虐めたら色気が出るタイプの面(つら)してるぜ』


スマホの画面には、長い黒髪をツインテールにした純朴そうな少女が写っていた。
幼いからこその無垢な印象は、その小さな胸に秘めた決意を、言わずとも表しているともいえる。


『まだ通学するにゃ時間は早い。ちょっと“生の顔”を拝みに行こうぜ』


助手席の男のスマホは、淡々と少女の自宅までの道のりを誘導していく。
網の目のような団地道を抜け、この街の唯一の女子高を横目に通り、そして閑静な住宅地の中にある、やや古めかしい一軒家の前に辿り着いた。



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