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飛べない鳥の飛ばし方
【ファンタジー 官能小説】

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植物園にて-11


「はぁ」

 満足感たっぷりの幸せそうなため息をついたカウル=レウム王の身体がゆっくりとキアノに戻った。

「……抜きますよ?」

「ん」

 合図してから萎えた肉棒を引くと、すりおろされる事なく無事に抜き出せた。
 ヴェルメの秘裂からは大量の白濁液が流れ出る。

「時間は良いのか?」

 さっきまであんなに乱れていた女性とは思えない淡々とした言葉に、キアノは苦笑してヴェルメを抱きしめた。

「あまり大丈夫ではありませんが、もう少しこうしてて下さい」

 甘えるように擦り寄るキアノに、ヴェルメは仕方ないな、と身を委ねる。

(キアノのままで充分だったのにな)

 穏やかな愛撫を受けながらヴェルメは思う。
 決して結ばれる事が無くとも、傍に居てくれる方がずっと嬉しいのに。
 しかし、その言葉を口にしたら……キアノが……カウル=レウム王が壊れてしまう気がした。


「?」

 リョウツゥと別れたジルは、風に運ばれてきた微かな臭いに鼻をヒクつかせる。
 つい最近嗅いだ覚えのある臭いに、頭の中を疑問符だらけにした。

(……まさかな……)

 気のせいか、と大きな荷物を抱え直そうとしたら左腕に痛みが走る。
 眉を寄せて痛みを我慢したジルは、街の雑踏に紛れていった。

ー続くー



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