投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

夢を見るころの最初へ 夢を見るころ 1 夢を見るころ 3 夢を見るころの最後へ

-2


「楠じゃないか」

ため息をついて夢の話なんて半分も聞いちゃいないところに声をかけられた。
篠塚主任だ。

「どうも。篠塚さん達は同期飲みですか?」
経理の篠塚主任と外食営業の石島主任だ。

「まぁな。俺たちが男だけで飲んでるのに楠は美人とデートか。
ここで飲んでたら、明日には噂されてるぞ」

確かに。この居酒屋は横浜ホールディング御用達だ。
そこらじゅうに同じ会社の人がいる。

「勘弁してくださいよ。デートだったら他に連れて行きますよ」
大きくため息をついたら、夢にテーブルの下で足を思いっきり蹴られた。

「いてっ。こいつは幼馴染です」
夢を睨んでそう言った。夢は知らん顔だ。
次の瞬間に俺には見せた事のないような綺麗な笑顔で2人に挨拶をする。

「楠くんの幼馴染で永坂です。いつもお世話になっております」

くすのきくん、だぁぁ?ネコを飼うのもいい加減にしろ!

そんな夢の笑顔に篠塚主任が小さく笑った。
そのまま店を出て行く二人を見ながら
夢が「愛想笑いだってばれたみたい」と舌を出す。

確かに。でも一発で夢の本性を見抜く人は珍しい。

「あの人、経理部のやり手なんだよ」
「ふぅ・・・ん。駿も早く出世しなさいよね。
出世しなきゃ、花はあげないからね」

はいはい。
俺はもう何度も聞いたその言葉に苦笑いをした。




夢を見るころの最初へ 夢を見るころ 1 夢を見るころ 3 夢を見るころの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前