叔父・水越四郎C-1
レイ……。愛しのレイちゃん……。
水越四郎はボナールマンション一階のエントランスにいた。
夕方、三原レイが住むアパート近くで、クルマを停めて見張っていた。レイは午後6時過ぎにアパートから出てきた。ベージュのショート丈のダッフルコートに、ピンク色のミニスカート。眩しかった。直感がはたらいた。中学教師・渡部とのデートに間違いない。
中野から高円寺にクルマを走らせて、ボナールマンションの近くで張り込んだ。
待つこと、一時間半。美少女は渡部らしき男に肩を抱かれながら、マンションの中に入っていった。
悔しい……。
ボナールマンションの一階エントランスには、各部屋に繋がるインターホンが設置されていた。四郎の指は渡部の部屋のインターホンを押していた。勿論、渡部と会話するわけにはいかない。インターホンを押して、監視カメラの死角に逃げ込んだ。
美少女レイは渡部とセックスしているのだろうか?
悔しい……。
渡部の部屋のインターホンを押すという嫌がらせしかできない。
今に見ていろ。ドスケベ中学教師。ひと泡吹かせてやるからな。
四郎はボナールマンションを後にした。