正義と悪と花と涙と-1
これからお話するのは、よくあるRPGの一場面です。
果たして何が正しく、何が正しくないのか?よくよく考えちゃいそなお話しです。
おれは亡霊ガタルダ。
ウェンダタウンの片隅で暮らす成仏できない、しがない怪物さ。
怪物っつったって街のヤツらを殺したりとって喰ったりはしてないぜ。 おれは誰とも関わりたくねぇ(向こうもそぅだろうがな…)ひっそく平和に静かに暮らしたいだけさ。
今朝は特にツイてなかったぜ
そうこんな出会いさぇしなきゃ変わらない朝だったはずだ。
ェ〜ン…エ〜ン……
誰だ!?朝っぱらから!!とおれは外に出てみた。
ドアの前には5才くらいの人間の子供が泣いていた。関わりたくねぇ。とおれは即座に追っ払った。
昼過ぎにドアをノックする音が聞こえた。
ぅっせぇなぁ!!誰だ?と開けてみるとさっきの子供だった。まだ泣いている。仕方ねぇ。うるせぇのは御免だが、ほっとけねぇしな……とおれは話かけた。
「おい!ガキ!なんでおれんちの前で泣いてんだ!?」出来るかぎり優しく話し掛けてみた。
「父ちゃんも母ちゃんも死んじゃった…」とだけいうと子供は黙ってしまった。
おれにどうしろというんだ!? めんどくせえことになったな。
仕方なく家の中に招き入れた。
「おめぇがつれぇのはよ〜くわかった。なんで父ちゃんたちは死んじまったんだ!?」おれはきいてみた。
「……」
何も話たくねぇのか話せる精神状態じゃねぇのかはわからねぇが子供は黙っている。
おれは話しを変えた。
「ガキ!おめぇ何て名前だ?」
「……………セイジ…」
そうこれがおれとセイジの出会いだった。
セイジは何日も街を彷徨いおれんちの前まで辿り着いたよーだ。(こんな街の外れにはおれんちしかないからか)
どうやら、親は戦いで死んじまったらしい。身寄りもない。
おれは追っ払らおうと思った。
面倒事は御免だ!
「セイジよ!ここはおまえの住むトコじゃねぇしおれは怪物だぞ!おまえを喰っちまうかもしんねぇぞ!余所を当たりな!!」
セイジはまた大泣きした。
ほっとけるかよ!!
おれはセイジを抱き締めていた。何故そんな感情的になったかはわからねぇ。
「しょうがねぇ!おまえの面倒はおれがみてやるよ!おれはガタルダだ。」
おれの服に染み付いたセイジの涙の冷たさも誰かのぬくもりもおれには縁がなかった。 初めて頼られるというこんな感覚もなんざらじゃねぇな!
とにかくおれらのおかしな共同生活が始まろうとしている。