同級生女子からの電話-1
【同級生女子からの電話】
オレ達はその後、2回もセックスを楽しんだ。3回目の行為の後、来週から始まる夏休みの思い出作りに、オレが思い付いたプランを話すと、結衣は直ぐに乗り気になった。
「夏休みの思い出作りパート1ね。じゃあ、パート2はあたしが考えるね」
ご多分に漏れず、この手の思い出作りの話は、依存性が増した結衣を喜ばせた。
ハイテンションのまま、一緒に寝たいとせがむ結衣を宥めて自分の部屋に帰した。クタクタの2人が寝過して、一緒に寝ている所を母親に見られたら大変だからだ。
翌朝、空気を入れ替えに来た母親の由起子に起こされて目を覚ました。
「いつまで寝てるのよ。クラブが昼からだとしてもゆっくりしすぎよ」
いきなりの母親の登場にドキッとしたが、結衣との行為の後に消臭剤を撒いたので、男女が愛し合った形跡は無いはずだ。オレは惚け顔でいつもの通りに時間を聞いた。
「何時?」
「11時。早く起きないとご飯食べる時間がなくなるよ」
オレの入っているサッカー部は、今日は午後からの部活だった。結衣のテニス部も午後からだと聞いていたから、昨日は3回目も励むことにしたんだ。
「結衣は?」
「結衣も今起こしたところよ」
やっぱり一緒に寝てなくてよかったと安堵した。
階下に降りると、眠そうな目をした結衣がソファーに座っていた。結衣はオレの顔を見るとにっこりと微笑み「おはよ」と言ってはにかんだ。
結衣の横に座り、結衣が用意してくれていた紅茶を口に含んだ。乾いた体に冷えたストレートティが沁みて心地好かった。
「オヤジは?」
食事の支度でキッチンに向かう母親の背中に声を掛けると、日曜大工の材料を買いにホームセンターに行ったとのこと。
「ふーん」
関心無さげに応じたが、しばらくイチャイチャできると内心で喜んだ。
母親がキッチンに行くと、案の定、結衣が抱きついてきた。貪るようにキスをして、パジャマ替わりに着ていたTシャツの裾から手を入れて、ノーブラの乳首を摘まんだ。
「はぁん…、裕樹くぅん、擽ったいよぉ…」
昨日からの淫らな余韻を残した結衣が、珍しく自分の意思で伸ばした手を、ジャージ、更にその下のトランクスの中に忍ばせて、勃起したオレのモノを優しく掴んだ。
「うっ…、結衣…」
オレはその積極性に嬉しくなった。
お互いに「はぁはぁ」と荒い呼吸を繰り返して、ドキドキしながら行為を楽しんだ。
2人の淫らな行為は、固定電話の音で中断した。
「結衣ちゃん、出て〜」
手の離せない母親の声がキッチンから聞こえてきた。
結衣が名残惜しそうにオレから離れ、リビングの壁に掛けられた固定電話に出た。
「はい、稲川です…」
少し澄ましたよそ行きの声だ。しかし、相手の応対の声を聞いた結衣の可愛い顔が、何故か少し曇り始めた。
「はい、居ますがどちら様でしょうか……」
相手の声に応じた結衣の声のトーンは、初めと比べてかなり低くなっていた。一拍置いて、お待ち下さいと返した結衣が、沈んだ顔をしながら、手にした受話器をオレに差し出した。
「誰?」
結衣の表情の変化に戸惑いながら聞いた。例えやましいことが無くても、愛する女のこの様子には男は一様にドキドキするもんだ。
「同じクラスの本多さんって…」
「本多!」
クラスメートの本多夏子の顔を思い浮かべて、安堵が半分、そして『困ったなあ』という気持ちが半分になった。
昨日は待ちに待った結衣とのセックスのことで頭が一杯だったから、本多に電話をするのをすっかり忘れていた。