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そして純情姉弟の恋模様(クラス1-AC)
【学園物 官能小説】

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同級生女子からの電話-2

痺れを切らした本多からの電話は、担任の白石先生(♀)と、本多を含む3人の女子が計画していることの確認の件だ。

決して結衣が気を揉むようなオレへのデートの申し込みではないから、話せばわかるはずだ。これが安堵の部分。

しかしこの計画はあまり結衣知られたくはなかった。これが困ったなあの部分。

オレへの連絡先を、携帯電話じゃなく固定電話にしたのは、結衣に気を使ってのことだ。何処かでアドレス調べた女子からの電話かメールが幾度か入り、その都度結衣の機嫌が悪くなったことが有ったからだ。

結局固定電話も良し悪しだったかな。そう思いながら電話に出た。

「もしもし」

『あっ、稲川くん?おはよう。あたし、本多夏子』

本多はいつも気持ちよいほど元気がいい。

「おう本多、おはよう」

取り敢えず、普段通りに応じた。ソファーに座った結衣が、落ち着かない様子でオレを見ながら聞き耳を立てていた。

クラスの女子からの突然の電話に、結衣の心が穏やかなはずは無かった。とにかく結衣の神経に波風を立たないように応対するしかない。

『例の件、ご両親に聞いてくれた?あたし達の説得要りそう?』

ハキハキとした本多の声は、結衣の耳にも届いてるだろうか?

「ゴメン、まだ聞いてない。でも聞かなくても大丈夫だよ。わざわざ来なくても、参加OK でいいよ」

頭の隅で、後で結衣に説明する順序を組み立てながら、本多の問いに答えた。

『何言ってんのよ。チャンと聞いてから返事しなさいよ。後で問題になったら白石先生が困るんだからね』

今回の計画で、女子の大半は白石先生に心酔していた。その急先鋒である本多の詰問口調の声が耳にキンキンと響いた。なんだか昔の結衣と話してるような感じを受けて、苦笑いを浮かべた。

「わかったわかった、チャンと聞いてから返事するよ」

『了解。稲川くんも部活昼からだよね。あたしもだから後で体育館覗いて声を掛けて。あっ、もし、ご両親が反対するなら夕方にでもみんなで説得に行くからね』

「まあ、その心配は無いと思うけど…」

おおらかな両親を思い浮かべてそれを確信していたが、余り強く言うと、また怒られそうなので言葉を濁した。

『まあいいわ。ところでさっき出たのお姉さん?稲川結衣さんだよね』

何でこんなこと聞くんだ?怪訝そうに聞き返した。

「そうだけど…」

『キャーやっぱり!あたし、中学の時、お姉さんとテニスの試合したことがあるよ。練習試合だけど。凄く可愛くて素敵な人だったから覚えてるんだ』

入学当時のクラス内での情報交換に寄ると、本多は中学時代にテニスの県大会で優勝したそうだ。その本多に名前を覚えて貰えるとは、結衣もそこそこ凄いのだろうか。オレは少し誇らしくなった。

『学校で一緒に練習できなくて残念だけど、一度プライベートでテニスがしたいって言っといてくれる』

高校入学後の本多は、何故かテニス部に入らず未経験のバスケ部に入部した。だから部外者である本多はテニスコートに立てないのだ。

「そんなこと、自分で頼めよ」

『ダメダメ、結衣さんみたいな素敵な人に直接頼めないよ。気後れしちゃうわ』

「素敵…」

女子の目からでも結衣はそう見えるんだな。

『稲川くんはいいなあ、あんな素敵なお姉さんが居て。あたし一人っ子だから憧れちゃうんだよなあ』

オレは結衣が褒められて嬉しくなった。

『でも残念ね。幾ら素敵な人が傍に居ても、稲川くんは結衣さんとは結婚できないんだよね』

結婚か…

ここ最近の本多の頭の中は、【結婚】のことでハートだらけになっていた。何でも結婚にこぎ着けて考える本多に悪気が無いだけに、そのストレートな言葉はズンと堪えた。

「そ、そうだな、できないな…」

そう答えるしかなかった。

話の弾む本多の言葉を適当に返して電話を切ると、案の定、待ち構えていた結衣が聞いてきた。


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