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僕と私
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結婚?


誰と?


その様子からは僕とではない事は明らかだ。


その人はそれだけ言うとスッと立ち上がり


「もう会わない」とだけ言って立ち去った。


目の前のコーヒーカップからは白い湯気が渦巻いている。


その隣に添えられているチョコレートは小刻みに揺れている。


思いのほか衝撃を受けている自分に驚いた。


まさか・・と言った気分だ。


考えれば考えるほど苛立ちを覚え、僕は怒りに震えていた。


立ち上がり、その人を追いかけた。





店を出て駅の方へ走る。


いた。


「待って!」僕はその人の腕を掴む。


「どうして?なんで結婚なんかするんだ!」


「付き合っている人がいたなんて聞いてない!」


「この8年間は何だったんだ!」


僕は思いつく限りの言葉を一気に発した。


するとその人は僕を見下ろしながら


「もう限界だ。もう付き合えない。俺はお前に元に戻って欲しかったんだ」


と言った。


そして腕を払いのけるようにして去って行った。






限界?元のお前?何?何言ってるのかわからない。


僕は・・・ぼくは・・・・








「・・ちゃん・・お姉ちゃん」


目を開けると知らない天井と妹の顔があった。


「良かった。気が付いたね。また倒れたんだよ。もうやめてよね!私が呼び出されるんだからね!


私だって暇じゃないの。いい加減にしてよね」


あれ?


「ちょっと!聞いてる?私これから会社に戻らないとダメなんだからしっかりしてよ!」


「ご、ごめん」


「ただの貧血だって言ってたよ。後で先生来るって!じゃーね!」


「ごめん。ありがと」


妹はふん!と言って病室を出て行った。





コンコンと扉を叩く音が部屋に響いた。


「はい」


扉を開けてあの人が入ってきた。


「え?なんで?」


「お前あの後倒れたんだよ。俺が救急車呼んで連れてきた」


「え!ごめん。そうだったの。迷惑かけてごめんね」


「あれ?お前・・」その人は私の頬にそっと触れた。


「元に戻ったのか?」その人は熱っぽい瞳で私を見つめながらそう聞いた。


「・・ごめん。ちょっと混乱してたみたい」


「混乱って程度じゃないだろ。俺、待ってたんだずっとお前が戻るの」




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