病名-3
瀬奈が初めて幸代と一緒にショッピングに出かけこの日、海斗から感じる安らぎとはまた違った安らぎを感じた。洋服を選んでくれる幸代、パスタが好きだと言う自分に美味しいパスタ店へ連れて行ってくれた幸代に瀬奈はまだ幸代と出会って間もないが長年の親友のような信頼を感じた。それは常に幸代が自分の為に色々としてくれるからかも知れない。物凄く嬉しく感じていた。
「ねー、UFOキャッチャーしようよ。」
幸代がゲームセンターの前で言った。
「私、した事ないけど…」
不安そうな瀬奈を見て幸代はニコッと笑った。
「大丈夫!私もした事ないから!」
「ホント??」
「うん。だってUFOキャッチャーしてキャーキャー騒ぐようなタイプには見えないでしょ??どっちかって言うとカップルがキャーキャー言いながらしてるの見て馬鹿じゃんとか思ってた方だから。でも実はやってみたかったのよね〜。でも一人じゃなんか不安だしなかなかできなかったのよ。」
「アハッ!私もそんな感じ!実はしたかったりして!」
「じゃ、やろっ?」
「うん。」
幸代は瀬奈の腕を引いてゲームセンターに入った。お互いゲームセンターになど入った経験に乏しい。まるでいけない店に入ったかのようにキョロキョロとしながら中を進む。一通り台を見て回ったがどれでも良かった。
まずは幸代から始めた。熊のキャラクター、イラックマのぬいぐるみの台に決めた。そう簡単には取れない。幸代と瀬奈が交代で取りに行く。
「あーん!ダメだ〜!」
「きゃー!惜しい〜!」
夢中になり思わずはしゃいでしまう。2人で3000円程注ぎ込んだ頃だろうか。瀬奈がようやくゲットした。
「やったー!」
2人は飛び跳ねて手を握りながら喜んだ。