ためらう理由-6
「なるほどねぇー。」
事情を知った一条君は腕を組み、瞳を閉じ、無言になる。
「御免ね二人とも、私が不甲斐無いばかりに。」
「いいっていいって。」
「ボーリングへ行こう。」
「えっ?」
そう言って彼は4枚の割引券をテーブルに差し出す。
「これは?」
「弓道部の友達がくれたんだ、急用が出来たって言って。」
「……。」
固まる私と巴ちゃん、だが彼女が口を開く。
「それは良いね。」
「えっ?」
「そうだよ、ボーリング場へ行こう!丁度4枚あるから、私、若葉、連、それにあたるを
誘ってさぁー。」
「誘うって誰が?」
私は当然無理、巴ちゃんは…いや考えても判んない。
「勿論僕だよ。」
「えっ?一条君が。」
「そうだよー、だって親友だもんねー連とあたるは。」
「……。」
そうなんだ、それは良く判ったけど。私達はそれで決まりって事となり、今度の日曜日に地元ボーリング場へ行く事となった。