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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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ためらう理由-7

「アンニャロー、まだ来ねーのかよっ!」

次々とピンを豪快になぎ倒す音が響き渡る中、私と彼女はゲームを始める事なく、自分たちのレーンのイスに座っている。

「佐伯…君。」

約束の10分前に彼女と来た私達。それに対して二人は約束より5分も遅れてる。

「ったく、自分から誘って置いて。」

そういってケータイをポッケから取り出すと。

「いやー、遅れてゴメン!」
「一条君。」
「もぅー、何してんのよ。」
「いやぁー、彼が寝坊したらしくて、それで。」

佐伯君。あの時以来だ。でもその顔は夕暮の時の優しい彼の面影はまるでなく。だが不意に私の心臓の鼓動が高ぶり。

「だからってウチに押し掛けるかぁ?一瞬不審者かと思ったぞ。」
「だって電話して初めて今日の予定を思い出したんでしょ?それで嫌な予感がして家まで言ったら案の定二度寝しちゃって。」
「お前、顔に似合わず鬼だよな、こんな寒い日に布団取り上げてせかしにせかして。」
「約束守らない君が悪い、僕があれだけせかしたのにダラダラ着替えて、お蔭で僕まで約束に遅れた見たいじゃないか。」
「ははっ!そりゃいいな。」

ホントに仲が良いんだね。でも、巴ちゃんと佐伯君の関係は?

「じゃ!頑張れよっ!私も連も応援すっから。」
「……。」

男子二人が先に向かう中、ポンッと肩を叩かれ、耳元でそう囁く。


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