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蒼虫変幻
【SM 官能小説】

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蒼虫変幻-4

亡霊は暖炉の炎の中から火で焼かれた真っ赤な金鏝を手にする。亡霊は薄笑いを浮かべ、女の
鼻先にその金鏝を突きつける。女の頬が恐怖に引きつり、白い太腿をよじり、身を縮ませ、
嗚咽に悶えながらからだを激しく揺する。ペニスのように丸みを帯びた金鏝の先端がすっと
伸び、女の逆立った陰毛を焦がす。一瞬、薄い煙が立ち、腐った卵のような匂いが沸き立つ。
金鏝の先端はさらに女の陰毛をじりじりと炙り、焦がしながら漆黒の翳りに割り入っていく。

亡霊は呪文を唱えるように呟き、その焼き鏝を女の陰部に陰惨に押しつけていく。肉唇が焦げ
る臭いが漂うと、鋭く身を切るような女の咆吼が石壁に反響した。そして女の陰部の割れ目は
蕩けるように弛み始め、押しつけられる金鏝の先端を少しずつ含んでいく。けたたましい悲鳴
をあげ、首筋を仰け反らせながらも苦痛に耽溺しきった虚ろな瞳をした女…。

まるで爛れた貝肉のように歪んだ女の陰唇が、火で焼けた真っ赤な金鏝を含んだとき、亡霊は
卑猥な笑みを浮かべ、その先端をさらに女の陰部の奥深くねじ込んでいく。その陰惨な光景を
目の前にしながらも、なぜかぼくは微睡むような甘美な疼きを感じていた。ぼくの幼虫が真珠
色の包皮を少しずつ蒼く変幻させ、小魚のように反り上がり、漲った幼虫の口の先端からは
次々と溢れてくるものが滴り始めていた。


突然、部屋に差し込んだ極彩色の稲光が女の肌を幾筋もの光で斑に刻む。いや、明らかに稲妻
の閃光は鋭い電流となって磔木に流れ、女の肉体を狂ったように身悶えさせていたのだ。
女の肉肌の隅々までが、猛り狂う波のように悩ましくくねる。裸体は鋭い棘の鞭で打ち叩かれ
たかのように悶え撥ねる。轟く雷鳴とともに次々と瞬く稲光が、十字の磔木に火花を散らせ、
彼女の肉体に襲いかかり、裸体をのたうたせ、うならせ、たわませる。稲妻の閃光は、まるで
鋭いナイフが孕んだ光のように彼女の薄桃色の乳首を切り刻み、真っ白な下腹部の薄肌に潜む
静脈をなぞりながら漆黒の陰毛におおわれた割れ目に陰惨に潜んでいく。

それを見ていたぼくの血流が烈しく漲り、蚕のような幼虫が糸汁を吐き始めようとしていた。
やがて怒涛のような雷鳴が轟き、白い女のからだが弓のように大きく仰け反ったとき、彼女は
まるで苦痛から解き放たれたように甘美すぎる恍惚とした嗚咽を洩らした。

その瞬間、ぼくの下半身が強ばるような弛緩を感じ、烈しい射精を行った。打ち震える下半身
が強ばり、蒼ざめた幼虫が強い酸味のこもった白濁液を洩らしていた。そしてぼくが烈しい
眩暈に襲われ、意識が朦朧となったとき、目の前の亡霊と女が薄闇の中に吸い込まれるように
すっと消えたのだった。

残されたぼくには、山の遠くで鳴り響く木霊のような雷の音以外に何も聞こえてくるものは
なかった。




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