め-5
数日は石島さんから何か言ってくるかもと
ドキドキしていたけど。
結局その後連絡はなくて。
手紙に、この前のエッチでイけたと書いたから
それで2人の関係は終わったと解釈されたのか
とにかく連絡はなかった。
石島さんを忘れるために
いつも以上に仕事をして残業をした。
はぁ。身体も心もボロボロだわ。
首をくるりと回し、肩も凝ってる。
あ。化粧品がそろそろ切れるんだっけと思いだした。
肌が荒れてるから。
少し贅沢していいものを買おう。
そう思って駅の近くのドラックストアで
いつもよりかなり高い化粧水と乳液と美容液のセットを買った。
これを付けてリッチな気分になって
気持ち良く寝よう。
明日の休みは洋服も買いに行こう。
少し晴れた気分で、フンフンと鼻歌を歌いながら
駅の改札間近に来た時、
定期を探すためにカバンの中を漁った。
あれ?ここに入れたつもりだったんだけどな。
あれ?
がさごそとカバンの中をかき回している時に
肘をつかまれた。
なに?
とっさにつかまれて引っ張られた方を振り向くと
困った顔で石島さんが立っていた。
「石島・・さ」