き-2
「泊りの準備しておいで」
朝起きたら、そんなメールが入っていた。
またエッチするのかな・・・
それが目的で付き合っているのに。
なんだか落ち着かない。
あの感覚をもう一度体験できるのか?
その先の―――
最後までイく事が出来るのかな・・・
自分で自分のドキドキに笑ってみるけど。
相手は、あの、石島さんだ。
ドキドキしない人がいたら会ってみたい。
出社するギリギリまでドキドキして。
それで開き直った。
ドキドキするの当たり前じゃない。
だって、あの石島さんだよ。
今まで付き合った中であんなにかっこいい人はいなかった。
悩んでそれでもやっぱり1番お気に入りの下着にした。
この色合いが好き。
その日、会社は休出の人が多く
2時ごろパラパラと帰りだしたメンバーに
そのままご飯と飲みに誘われたけど断って。
石島さんと約束の場所まで余裕で行くことができた。
街中はチョコレート一色で。
ああ、もうすぐバレンタインか。
そんなことも忘れるほどオトコと縁が薄くなっていた自分を
可哀想だと思いながらも苦笑した。
チョコを眺めていたら
ほんの数センチのところにいきなり顔が現れた。