終わりよければすべてよし-15
やがて、ずっと黙っていた輝くんが口を開く。
「里枝……俺も愛してるよ……」
「あんっ……て、輝くん……嬉し……」
汗で張り付く髪の毛をそっと取り払いながら、私を見下ろす彼の顔があまりにも優しくて、じわりと涙が滲んできた。
平凡だけど、穏やかで温かい家庭。
こんな幸せを与えてくれた、最愛の人。
そんな彼に愛されるなんて、なんて幸せなんだろう。
ぺニスを打ち付けるスピードが早まり、彼の絶頂は目前であるのを感じるにつれ、全く余裕がなくなった私は、彼の背中に爪を立てて鳴くだけ。
一方彼は、私の小さな胸を優しく包んだり、吸ったりと、あらぶる下半身とは対照的な愛撫で私を包む。
普段から言葉の足りない人だったけど、その分態度で表してくれていたのかもしれない。
「ああっ……、わ、私……もうダメかも……」
息も絶え絶えに彼を見れば、デコルテの辺りにうっすらと玉の汗と、眉間にシワを寄せた苦しそうな表情。
「ん……、俺もヤバい……」
爆発を耐えるその表情がセクシーで、キュンと胸が高鳴る。
私が彼を乱れさせている、そう思うと愛しさはマックスだ。
彼に身体を揺らされながら、私はそっと耳元で囁いた。
「輝くん……、中に出して……」
「え!?」
驚いて私を見つめる彼を見ると、なぜか涙が滲んでくる。
そしてその熱い涙はこめかみを伝い、髪の毛に埋もれていった。
「欲しいの……」
ただ、私はあなたのものであるということを刻み付けて欲しかっただけかもしれない。
「いいのか……?」
不安そうに窺う彼に、黙ってキスを求める。それが私の答えだ。
すると、彼の腰のリズムが一層激しくなった。
「はああんっ……あ、当たる……!」
中の気持ちいい場所を突かれると、全身がゾワゾワ粟立つ。
「里枝、気持ちいいんだね? 白いのがいっぱい出てる……」
「あんっ! あっ、イ……イク……」
そんな恥ずかしいことを言われているのに、もう限界の私は、ひたすら上り詰めることしか頭になかった。
「……出すよ」
そして、間もなくフィニッシュを迎えそうな彼にしがみつきながら、
「んあああっ……! イク! ……ああっ!」
と獣のように叫びながら、彼の精が私の身体の中に果てるのを感じていた。