終わりよければすべてよし-10
「でも、やっぱり1人でヤるよりこっちの方がいいね」
「ひああっ!」
そうして、今まで乳房を弄んでいた輝くんの右手が私の脚の間に延びてきた。
途端に身体がビクンと痙攣する。
指の動きの滑らかさで、自分の身体が相当濡れているんだとわかる。
「あっ……、あああ……」
「里枝? すごいねここ。濡れ過ぎてお尻の方まで汚れてるよ」
「いやっ、いやあっ……」
彼の指が私の秘裂を優しく往復するけど、羞恥心のあまり、素直に委ねることができない。
だけど、輝くんはやっぱり私のことをよくわかっている。
本当はどうしてほしいのかを。
そして彼は、嫌がる私の脚を強引に開かせ、押さえつけた。
「やっ! やめてぇっ!」
「何で? 里枝のここ『気持ちいいことしてほしい』ってヒクヒクしてるよ?」
ヴァギナをじっくり見られてる、そう思うだけで身体が熱く火照る。
「違うよぉ……」
「ふうん、こんなにシーツまで汚してるのに?」
「え!?」
言われて気付く、お尻の辺りのひんやりとした感覚。
私が思っている以上に、身体が悦んでいることに驚いた。
でも、やっぱり恥ずかしさはなくならない。
何度も抱かれてきたし、身体の隅々まで見られているのに、久しぶりのセックスだと、どうしてこんなに恥ずかしいのだろう。
「恥ずかしがる割りに、身体は素直だな」
「はあっ……、ああ……」
這い回る指に翻弄されている内に、次第に身体が解れていくような気がした。
すでに淫蜜で溢れかえるクレバスを、じっくり時間をかけて愛でられると、全身の力が抜けていく。
トロンとした瞳と、弾む息でぼんやり彼を眺めると、
「里枝、どうして欲しい?」
と、意地悪な質問をしてくる。
普段は気の強い私だけど、こういう時だけは恥ずかしいことをされたり言わされたりすると、子宮の辺りがズクンと疼くのは、本質がもしかしたらマゾっ気があるのかも。
さっきのレストランではあんなに頼りなかった輝くんが、主導権を握っているのを目の当たりにすると、恥ずかしいのにもっとそれ以上のことをして欲しいという、矛盾した自分が顔を出した。