ようこそキャットガールへ-1
銀の地域出身のジルは満面の笑顔で王都クアトリアを歩いていた。
「クアトリア♪クアトリア♪」
青い尻尾がパタパタと陽気に振られ、足取りもスキップ状態だ。
「まずはっと……」
ジルは立ち止まると懐からゴーグルを取り出し、それを装着する。
こめかみ辺りにあるスイッチを押すと、ゴーグルがヴンと音をたてて起動した。
「検索、キャットガール♪」
ジルの言葉に反応してゴーグルがピピっと鳴る。
するとゴーグルのレンズに細かい文字が現れた。
〈キャットガール、検索結果。最寄りに1件ヒットしました〉
「地図をゴーグルにスーパーインポーズ」
ピピ
ゴーグルに地図が表示され、それが変形して実際の景色と重なった。
ジルの視界には矢印が出ており、目的地まで導いてくれるシステムだ。
「ん。ちゃんと使えるな♪上出来上出来♪」
ジルは益々機嫌を良くして目的地へと進み出す。
ジルの目的地、キャットガールとは……。
「いらっしゃぁ〜い♪」
「キャットガールへようこそぉ♪」
下着姿の女の子達が入口にズラリと並んで笑顔で迎えるお店……いわゆる風俗店であった。
「おぉ♪評判通り♪可愛い子ばっか♪」
ジルはゴーグルを頭の上にあげて女の子達をまじまじと見る。
女の子達は全員ジルと同じ銀の民。
頭に獣耳、お尻に尻尾が生えていた。
獣と言ってもタイプが色々ある。
猫タイプ、犬タイプ、狼、獅子、狐などなど……因みにジルは狐タイプだ。
ジルは恥ずかしげもなく女の子達を舐める様に凝視しながら店に入る。
「っかぁ〜!良いね、良いね♪」
店内は広々とした空間だったが、ボックス席ひとつひとつが薄いレースのカーテンで仕切られていた。
カーテンの向こう側では明らかに淫らな行為が行われている。
「っひょぉ♪」
店内に響き渡る音楽に混じり、様々な喘ぎ声が聞こえ、ジルの興奮が増してきた。
案内された席に座ったジルは、備え付けのパネルの画面をタッチする。
そこには女の子達のプロフィールが乗っており、それでパートナーを選ぶシステムになっていた。
「ええっと……やっぱ猫ちゃんが良いよな♪」
ジルは猫タイプのページを選び、沢山の女の子の中から好みを探す。