ようこそキャットガールへ-2
「お♪」
ジルの目に止まったのは毛足の長い白猫タイプの金髪美女。
くりんとした水色の瞳と胸を寄せたポーズがとても魅力的だ。
「決〜めた♪」
ジルはその女の子の写真を指でタッチする。
ポーン
軽快な音が鳴ってから数十秒後。
「はぁい♪私を選んでくれてありがと♪チャカでぇす」
薄いカーテンをめくって入って来たのは、先ほどジルが選んだ女の子だった。
「チャカちゃん♪」
ジルは尻尾をふりふり両手を広げ、おいでおいでと催促する。
「ふふ♪お客さん発情期?」
チャカは軽く飛んでジルに股がると挨拶変わりのキスをした。
「だから来てんじゃん?」
何を当たり前の事を聞くのか、とキスを受けたジルは首を傾げた。
ジル達の様な銀の民は、獣の特徴を持つだけあって繁殖力が強い。
1度の性交で必ずと言って良い程妊娠し、1度の出産で2人から5人の子供を産む。
しかも発情期になると理性が吹っ飛び、誰かまわず犯したりするのだ。
そんな銀の民達が本能のままに性交していたら世界が銀の民で溢れてしまう。
実際、育てきれずに捨てられたりして不良化した銀の民が、ここクアトリアで社会問題になったりしている。
しかし、銀の地域ではそんな事はない。
何故かというと昔から発情期に入った民の為の『キャットガール』のような店があったからだ。
店の女の子達はあらかじめ避妊薬を飲んでおり妊娠はしない。
昔のクアトリアではそのような店が禁止されていたので、銀の民が溢れてしまったのだ。
そんなワケで只今絶賛発情中のジルは、クアトリアに着いて真っ先にこの店に来たのだ。
というか、発情期に合わせてクアトリアに来た、が正解。
「最近は他民のお客さんも多いのよぉ?」
チャカはちゅっちゅっとキスをしながらジルの服を脱がし、世間話をする。
「他民は必要ねぇじゃん?」
他民にも発情期はあるが銀の民程激しくない。
「それは、ほら?私達の魅力?」
チャカは作業を止めてくねりとポーズをとって見せた。
白い猫耳とふさふさした尻尾が、確かに可愛い。
「成る程」
ジルは納得してチャカをぐいっと引き寄せる。