抱-7
「出ようか」
しばらく私を抱きしめてくれていた石島さんが
ゆっくりとキスをしながら言った。
軽くマスターとみんなに挨拶をした後
お店を出て肩を抱かれて歩き出す。
「ごめん。ゆっくり俺の性格を知ればいいとか言いながら
今すぐ由香里を抱きたい」
耳元でくすぐるようにつぶやいた。
私は、なんて答えたのか覚えていない。
うなづいただけかもしれないし、
何か言葉を発したのかもしれない。
本当に自然に石島さんとホテルに入った。
酔ってなんかいないのに。
石島さんがつむぎだす雰囲気に飲まれてキスを繰り返す。
もちろんセックスすることが目的で付き合い始めたけど
こんな初めてのデートでセックスしちゃう自分が信じられない。
けど。
抵抗なんかなくて。
抱いてほしくて私も石島さんにしがみついた。
今。ここで抱いてもらわなきゃいけないような気がした。
お互いに着ているものがもどかしいように脱ぎ去り
お互いにお互いを抱きしめあってキスで確認しあう。
「演技だけはするなよ」
石島さんが身体中を愛撫する。
その感覚に麻痺したように、もうその手しかいらない気がした。
「ん・・・はぁ」
乳首を口に含んで視線を私に移す。
指が・・・・
私の中に入ってきた。