恋の始まり-7
「…………。」
教室での出来事に耳を傾けた彼女は口をポカーンと開け、硬直する。ずっと手に持ったまま口に運ぼうとしなかったオールドファッションが欠け、皿に零れ落ちる。
「あれからその人の事が気になって、朝教室に入って彼は登校しているのか、部活は何に入部しているのか、雨の日ちゃんと自宅に帰れたのか…、兎に角私の脳内に纏わりついて離れなくて。…。」
「アイツが…。」
アイツ?彼女は彼を知っているのか?。
「廊下で何気なくすれ違った時、胸がドキドキして。あっでもそれだけであって彼とは別にそんなんじゃ。」
「柊さん…。」
彼女はグラスに入ったアイスコーヒーを全て空にし、急に私の肩をポンッと両手を置き。
「それはね……。」
恋って……言うんだよっ!
「!!っ」
恋?これが……?
戸惑う私に、彼女は頬を赤く染める私の顔をじっと見つめる。
第2話へ続く。