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心も抱きしめて
【女性向け 官能小説】

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「お互いに無理をしない範囲で行きましょう」

そう答える私に、笑いをこらえたように下を向く。

「ビジネスライクだな」

それって・・・
褒めてます?

「じゃぁ、関係成立。乾杯」

石島さんは今さっき注文したハイボールのジョッキを持ち上げた。
私と、なぜか美香もワイングラスを持ち上げて
不思議な関係の成立に乾杯した。

向こうの方で石島さんを呼ぶ声がして
「ごめん。ちょっと行ってくる」
と、向こうに行ってから
私と美香は顔を見合わせた。

「何・・・この展開?」

視線は石島さんに向けたまま美香が私に言った。

「私も分からないよ・・・」

大学時代はただ憧れているだけだった石島さん。
確か2回ぐらい、サークルで夏の合宿に一緒に行ったっけ?
飲み会はいつも一緒に行ってたけど
あまりの人数の多さに
個人的に話したことなんかほんの数回だ。
しかも挨拶程度。

そんな石島さんと「目的があるとはいえ」個人的に会う事になろうとは。

「由香里。チャンスだよ」

どんなチャンスよ・・・





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