大佐の舘-1
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今から丁度二ヶ月前、ボクの国家は島国の海洋国家N帝国に国家転覆を謀略され滅びてしまった。今は帝国に併合され、その属国となっている。国家転覆をさせ母国を滅ぼす作戦の陣頭指揮をとったのが、N帝国軍人岩佐大佐だ。今、ボクは彼の本国の私邸に連れてこられそこに住んでいる、いわゆる捕虜だ。
滅びたボクの国は、ボクの父が国王だった。父と母の行方は帝国の属国になってからは分からない。
たぶん岩佐大佐に毒殺されたに違いない。ボクは少年好きてか衆道好きな変態趣向のクソ岩佐に本国に連行され彼の巨大な私邸に住まわされている。彼は本国の軍人仲間や関係者にボクを小姓にしたと言っているようだ。
岩佐はかつてボクの国の重要なブレーンだった。国王であるボクの父の優秀な側近に見えた。小さかったボクにも優しくしてくれ、大好きだった。だけどまさか国家転覆を狙う為に父に近づいたなんて知らなかったし、許せない。今はボクは岩佐とはなるべく口を聞かないようにしている。子供の頃、岩佐に遊んで貰いたくて彼に飛び付いていた自分が悲しい。