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エスが続く
【OL/お姉さん 官能小説】

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4. Speak Low-2

「ちょっと。……どこ見てんのよ?」
「どこだと思います?」
 とても部下だとは思えない返事に、悦子は組んでいる脚を下ろして斜めに揃えるとスカートの裾の上に片手を置いて隠すと、もう一方の手で思い切りテーブルを叩いた。
「ちょっとっ! 不真面目なのもいい加減にしてっ!!」
「不真面目じゃないです。真面目に、見てるんです」
「セクハラだね」首を傾げてじっと睨み、「こんな時に上司にセクハラ働くなんて最悪」
「それは……、権藤チーフがそんなスカート履いて視線を誘ってるからじゃないですか?」
「は? バッカじゃない?」
「会社にいるときも、一緒に外出するときもいつも見させてもらってます。てっきり見られるのが好きなんだと思ってましたけど」
 ふうっ、と息をついた悦子は、
「もういいわ。今の話も、発注の件も、全部、エスカレーションするから」
 と決意したように言った。
「なんでチーフのカラダ見てたこともエスカレーションの対象なんですか?」
「あったりまえでしょ? 仕事中にイヤラしいこと考えて上司のこと見てる、って言ってるようなもんだから。そうでしょ?」
 悦子の煽りにも平松は居を崩さず、
「そうですね」
 と平然といった。
「……っ! ほんと、今まで仕事中に何考えてたの? 寒気しそうなんだけど」
 すると平松の薄笑にだんだんと余裕が色濃くなり、余裕は嘲りへと色を変えていく。何故に部下にそんな目で見られなければならないのか苛立ったところへ、
「じゃ、チーフも問題ですね」
 と言われた。
「は? 何言ってんの?」
「知ってますよ」平松がくっと唇の端を曲げる。「最近チーフがしてること。普段はトイレかもしれませんけど、会議室とか応接室とかも取ってますよね。会議も来客もないのに。やっぱりトイレだと他の社員も来るからですか?」
「……な、なに、わけわかんないこと言ってんの?」
 平松の言葉に、胸を突き刺され抉られるような痛みが走ったせいで、それまで苛立ちと怒りを露にしていた声が弱まり詰まってしまう。狼狽は平松にも伝わってしまった筈だ。
「一昨日は一人で残業されてたんですね。誰も居ないところでするの開放感ありましたか?」
「な、なんのこと言ってんのか、わかんないんだけど。いい加減にしてくれる? ……とにかく、処理を進めて」
 悦子が立ち上がって場を離れようとしたところへ、突如平松が携帯の画面を悦子に向けて立ち止まらせた。
「気持よかったですか? 仕事中にオナニーするの」
「な、なんで……」
「キレイな脚出してるのも、見られて興奮するからですか?」
「……」
「まさか社内のエースとして有名な権藤チーフが、こんなイヤラしいこといつもしてるなんて思わないですよねぇ」
 と言うと、平松がやおら立ち上がった。その表情は劣情に塗れ、思わず悦子が後退りをする。
「ちょ、こ、来ないで……」
 平松が近づこうとするのに距離を取ろうと下がると、ふくらはぎに縁が当たって、どさっと再び椅子に座ってしまった。
「これ、エスカレーションしましょうか?」
「や、やめてっ……」
「ですよねぇ。……じゃ、発注の件、おねがいしてもいいですか? ……どうします? すぐにでも全社に一斉配信できますけど?」
「や、やめてよっ……。わ、わかった……、しょ、処理しとくから」
「ありがとうございます」
 合意に至ったはずなのに平松は悦子の側に立ち上がったまま見下ろしている。その視線は悦子のジャケットから覗くブラウスの襟元や、揃えが乱れたストッキングの脚に降り注いできていた。
「ちょっ……、へ、変なこと考えないでよねっ!」
「変なことって何ですか?」
「……」
 平松は携帯をポケットにしまうと、スーツのジャケット脱ぎ、ネクタイを緩めた。
「何しようとしてんのよっ!」
「……権藤チーフ。今からイヤラしいことさせてもらえませんか?」
「はぁ? バ、バカなこと言わないで」
「仕事中にしなきゃいけないほどムラムラが抑えられないんですよね? 一人でなんかしてないでいいのに。俺がしてあげますよ」
「ふ、ふざけないでっ!」
 声を荒らげる悦子の前で、平松がベルトのバックルを外し始める。スーツのズボンには寄り皺などではない、明らかに勃起による隆起が見て取れた。
「ヤラせてください」
「大声だすよ?」
「出したら、メールでバラまきます」
「ぐっ……」
 平松は悦子に見せつけるようにズボン前を外し、ファスナーを下ろすと足元へストンと落とした。ワイシャツの裾からはトランクスを押し上げている勃起が揺れている。その姿に姦される現実味を如実に感じ取った悦子は、椅子の上で脚を擦り合わせ、腕を狭くして身を固くする。
「さ、どうします? ヤルのかヤラないのか……」
「卑怯、もん……」
「そんな卑怯な俺とセックスするんですよ。仕事中にね。嬉しいでしょ?」
「そんなわけないでしょっ!」
「で、どうします?」
「……っ、……」
 悦子は暫く平松を見上げて睨んでいたが、やがて顔を伏せ髪を垂らして、「わかった……」


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