結ばれる2人-1
【結ばれる2人】
寝室のベッドにそっと千尋を下ろした。
急に不安になったのか、千尋は下ろしたばかりのオレにギュウっとしがみ付いてきた。少し震えていた。
「怖いか?」
千尋の耳元で囁いた。
「ううん、浩太にいだから怖くない」
耳に響く刺激にビクッと身を震わせ、不安顔の千尋が答えた。
「いい子だ」
オレはその可愛い嘘のご褒美に、頭をよしよしと優しく撫でた。千尋は嬉しそうに微笑んだ。それで不安が除かれたのか千尋の震えが止まった。
これくらいのことは、倍以上歳を食った大人としては当然のことだ。しかし、千尋にとってはオレが凄く頼れる人と映ってることだろう。実際のオレは狭小で頼りないのだが、最大限その勘違いを利用させて貰った。
やはり、初体験を明るい部屋で迎えるには抵抗があるはずだ。そう思ったオレは、部屋の灯りをほの暗い間接照明に切り替えた。
もちろん真っ暗にはしない。千尋の瑞々しい女体は元より、その反応も含めて、千尋の全てを余すことなく見たかったからだ。
壁を照らす間接照明をチラチラと見る千尋には、これでもまだ明るかったようだったが、結局何も言わずに覚悟を決めたようにそっと目を閉じた。
ほの暗い部屋の中、小柄ながらに均整の取れた美しい少女が無防備に横たわっている。
オレ好みの顔。運動神経のよさそうな引き締まった体。お椀型のバストは重力に負けずに盛り上がりを見せている。ぎゅっと閉じられた股間を覆う薄い陰毛、そこから透けて見える淫靡な割れ目に興奮を覚えた。
オレは愛して止まない千尋の頬を両手でそっと挟むと、ゆっくりと唇を重ねた。今日経験した数回のキスで学んだのか、オレの舌を誘うように、重ねた千尋の唇が半開きになった。
それに応じたオレが口を開けると、こちらより先に千尋の舌がスルリとオレの口内に侵入し、貪るように舌を絡み付けてきた。 フェラチオを学んだばかりの舌は、思いのほか大胆だった。
処女のクセに。
楽しくなったオレは、重ねた唇の口角をニヤリと上げた。
絡めた舌から唾液を貪り取ろうとする貪欲さ、オレはそれを満足させるために一端唇を離し口許を閉じた。そして新たに口内に湧き出てきた唾液を口移しで千尋に与えた。
千尋はワザと音を立てながらオレの唾液を啜り、喉を鳴らして飲み込んだ。
その行為が、余すことなくオレを受け入れようとする強い意思に思えて、千尋に対する愛おしさが益々増していった。
しかし、幾多の経験を経た男としては、このまま処女の小娘に翻弄される訳にはいかない。このディープキスのやり取りの間、オレの手は千尋に悦びを与える下準備に余念が無かった。
柔らかな髪を、愛おしむように撫でながらうなじに移動させ、もう一方の手は形のよい耳朶を優しく愛撫した。
うなじに指先が触れると、千尋は擽ったそうに首を竦めた。今は擽ったいだろうが、今後ゆっくりと性感帯へと開発してやろう。
オレの指先が挨拶程度にうなじにサワサワと触れた後、将来のその開発地を残して首筋へと移動した。
鎖骨が弱点の者も多い。少し触れただけで、ビクッと身を震わした千尋にとっても、ここは弱点だったようだ。オレは滑らかな肌から浮き出た鎖骨に沿って、触れるか触れないくらいの柔らかなタッチで、指先を往復させた。
「んあぁ…」
ヒクヒクとした反応と共に、重ねた唇から熱い吐息が漏れ出した。
そのエロチックな反応に、千尋を焦らすより、こちらのスケベ心は我慢が出来なくなってきた。
そろそろ千尋の鳴き声が聴きたくなったオレは、予定していた脇腹から脇の下を責める工程をすっ飛ばして、浴室で確認した千尋が悦ぶ部位に手を伸ばした。