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妖怪艶義〜セドナ〜
【フェチ/マニア 官能小説】

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妖怪艶義〜セドナ〜-3

1
私が遭難してから、今日で27日が経過したはずである。

我々の――と言っても、今ここにいるのは私一人きりだが――調査隊は、未確認動物、いわゆるUMAを調査するため、各国の研究者で組織されていた。
UMAを調査するために ‘各国’から‘研究者’が集まり、なぜ‘調査隊’などが組織されているのか、一般の方々には理解しかねるだろうが、それについては、科学のめざましい発展は神話の神々や悪魔たちすら解き明かそうとしている、と述べるに留めておく。すべてはまだ、調査段階に過ぎない。

とにかく、我々の隊は、北極圏に棲息するという巨大な人型生物を調査するため、アラスカ沖の北極海を航行中だった。そして、まさにそのヒトガタと遭遇してしまったのである。
行く手の海が山のように盛り上がったところで、私の記憶は途絶えている。船員たちの怒号と悲鳴、傾きを増す甲板から転げ落ちる調査機材や人の体、私めがけて伸びてくる巨大な掌・・・そういった光景が、断片的に記憶されているのみだ。

そして次に気づいた時、私はこの洞穴の中にいた。
奥行き30mはあろうかという巨大な横穴で、奇怪な事に、何か巨大な生物――おそらくはクジラ――の骨が、まるでテントの骨組みのように、内部の岩肌に沿って並んでいる。
意識を取り戻した私は真っ先に入口へと駆け寄ったが、あのとき慌てて飛び出さなかったのは幸運といえよう。なぜならこの洞窟は断崖に穿たれており、一歩踏み出せば十数メートル下の海まで真っ逆さまなのだ。

ここまで読まれた方――私が今、奇跡的に無事だった筆記用具でしたため、洞窟内にうち捨てられていた空き瓶に入れて、海へと‘投函’するこの手記を、読む方がいればの話だが――は、その状況下で、なぜ私がひと月近く生存しおおせているか、当然のごとく不思議に思うであろう。そしてその答えを聞けば、ますます不思議に思うはずである――今私は、私を攫ったあの巨人に、どうやら‘飼育’されているようなのだ。

私は、今自分が置かれている状況、自分の身に起こっている事・・・「彼女」が私に施すある行為まで、出来うる限り克明に記そうと思う。そうする事が、私の理性と思考を繋ぎ止めうる、唯一の方法とも思えるのだ。


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