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妖怪艶義〜セドナ〜
【フェチ/マニア 官能小説】

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妖怪艶義〜セドナ〜-4

2
洞穴の入口に、大きな目が現れた。今日もまた、「彼女」の食事の時間がきたのだ。

ここで「彼女」について、さらに二三の説明を加えねばなるまい。

第一に、彼女は単眼である。いま私からは、巨大な一つ目が入口いっぱいにひろがっているのが見えている。そして第二に、彼女は巨人である。洞穴から出ることができないので、彼女の全体像を捉えることはできないが、私の十倍は優にあるだろう。

髪はぼさぼさして長く、肌はやや青白い。顔面部は人間に似た肌質だが、顔の輪郭から首に向かって、魚鱗(ぎょりん)を想起させる角質状の肌をしている。捕らえられる際、指の間に水かき状の皮膜が見えたから、彼女の全体像はおそらく「巨大な単眼の半魚人」だと思われる。
――などと思考する間も、巨大な瞳は私をじっと見据えている。彼女は、私が服を脱ぐのを待っているのだ。

そのうちに彼女は、何故かそこだけは血色の良い唇を私に近づけ、ぬめった舌で赤い割れ目をなめずる様を見せ付けてくる。赤い舌が、見るからにプルンとした唇を舐めまわす光景は、極北の地にそこだけ生々しく精気が満ち溢れているようで、えもいわれぬ期待と魅力を感じてしまう。尖った舌先がこちらめがけてゆっくり伸びてくる頃には、私は欲望に抗いきれず、衣服のボタンに手をかけていた。

すでに何度か彼女の食事に供されてきた私は、衣服を脱ぐと、彼女に尻を向けて四つん這いになる。ほどなく彼女の舌先が、私の尻たぶに押し当てられた。

ひざ裏から腰に向かって、熱くぬめった感触に何度も往復され、思わず吐息を漏らしてしまう。
超自然的な力でも作用しているのか、洞窟内は驚くほど温かい。だが全裸ともなればさすがに肌寒く、その冷えた体を熱い舌で愛撫されていると、置かれている状況にもかかわらず私は充足感を覚えてしまう。

・・・・しかし、その充足感が温熱効果によるものだけでないことを、私は正直に告白しておく。

彼女はひとしきり尻を舐め終えると、今度は舌先をするどく尖らせ、あろうことか私の尻の割れ目を清め始める。蟻の門渡りから尾てい骨へ――そして無論、その間にある肛門までも――熱く大きな舌先で丹念にくじられる感触に、私は腰を震わせて耐え続ける。

彼女がなぜこの様な行動をとるのか――私の体液その他を摂取しているのか、あるいは‘飼育’の一環なのか、確たる事は分からない。ただはっきりしているのは、彼女に捕獲されて以降この一方的な行為を、毎日強制されているという事だ。

彼女は舌をただ上下に動かすだけではなく、時に舌先を波打たせて、私の肛門を執拗に狙ってくる。
彼女の舌先は大きく、流石(さすが)に挿入を許してしまうことはない。だが、その大きさからは想像もできないほど繊細な震動を与えてくるので、私はまるで、皺の一本一本まで丁寧に舐め清められているような、そんな錯覚に陥ってしまう。さらには彼女の舌が一寸でも肛内に侵入すると、ただそれだけで、彼女の舌に後ろから犯されているような――そんな錯覚にすら陥ってしまうのだ。

そんな私の心を知ってか知らずか、彼女は焦らすように舌全体で舐めたり、かと思えばピンポイントで肛門を狙ったり・・・私の下半身を縦横に弄んで、魔性の快楽を味わわせてくる。
そしてその間中、私はただ顔を地面に突っ伏し、腰を突き上げ戦慄(わなな)かせながら、彼女がもたらす快感を享受していくのだ。

――もちろん初めは、抵抗や逃走も考えた。しかし、現実問題としてそれは不可能だろう。脱出してからどうやって生き延びるのか、という問題もある。
そんな状況下で、為す術なく陵辱されるうち――限界状態における精神倒錯の為せる業(わざ)なのか――私はむしろ積極的に、この状況を甘受できるようになってきていた。

身の丈十数倍もある女に、舌先だけで下半身を蹂躙される屈辱。だがそんな仕打ちにも、私の体は快感を覚え、無様に腰をひくつかせている――

そんな妄想を、肛門をぐにぐにと穿(ほじ)られる快感に中断されて、思わず腰を跳ね上げてしまう。まだ触れられてもいないペニスが、自分で勝手に皮を脱ぎ捨て、先端を濡れ光らせていた。


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