白き流路-3
それから徐々に私はおかしくなってしまったのかも知れない。
慎吾の前でも平気で裸でいたり、背中におっぱいを押し付けてみたりした事もあった。
母さんが好きでいて欲しかったのだ。
言い換えると母親であり、女である事を分かってもらいたいと思ったのかも知れない。
だけど、本当に息子とセックスしたいなんて絶対に思った事はない。
だんだんと逞しい体になっていく姿にそりゃ、ちょっとキュンとした事はあるけれど・・・
それはたぶん、男の子を持つ母親なら自然の事のように私は思う。
一日はゆっくりと過ぎていった。
日常生活とはまた別に、逃れる事ができないような何かを同時に引きずって過ごしているみたいな・・・そんな重さを感じる。
「母さん。」
あぁ、また考えていた。不意にかけられた慎吾の声にびくりと肩が踊った。
「なあに?」
すっかり背が伸びた慎吾はキッチンに座った私をしばらく黙ってみている。
「また・・・アレして欲しいんだ・・・」
アレって何だろう?
裸を見せて欲しい?セックスさせて欲しい?・・・そう言ってるの?
「アレって?・・・」
「だから・・・」
考えなきゃ。考えなきゃ。
「ほら、楽にして・・・」
慎吾はベッドに横たわる。
青と白を基調にした見覚えあるジャージを擦りさげる。
土気色した未熟なペニスがぽろりと零れ出し、そっと添える指先の中でみるみる硬く硬直する。
形はもう立派なそれになっているけど、まだ先端は包皮に覆われて勃起すると鮮やかに赤い先端部分に小さく裂け目を覗かせていた。
舌を絡みつかせ、ゆっくりと顔を寄せた。
口膣にその硬い感触と温かさを像り出し、陰毛に鼻孔をくすぐられて一瞬息を止める。
「気持ちいい?どう?・・・」
「うん・・・」
誰だろう?聞いた覚えのある声が遠く響いている。
指先は陰毛に紛れてざらざらとした睾丸の深い皺の感触を私の感覚として伝えた。
サトミ!?・・・サトミがなぜここに?・・・
サトミというのは私の古い知り合いのようなものだった。
もう何年もの間、ずっと会ってはいなかったけど確かにサトミの声に間違いなかった。
どうして彼女がここに?・・・
サトミは慎吾のペニスを嬉しげに舐めまわし、睾丸を弄って脚を開かせると今度は肛門まで舐めまわしている。
やめて!やめてちょうだい!私の子供よ。私のものよ。
その叫びはサトミの耳に届くはずもないようだった。
もしかしたら、あの夜に慎吾とセックスしたのは私ではなくこのサトミだったの!?
私はどこかでそれを見ていた。そう、オナニーを見られた時みたいに気まずさに溺れながら・・・
記憶がどうにもはっきりしないのだ。