根負けした母-7
しばらくして理性を取り戻した母ではあったが・・・
「ハァ・・・あなたには負けたわ!私、自分があんなにスケベだとは思わなかったわぁ・・・主人は早漏だから、自分がイクと満足しちゃって、私は主人が寝てる隣で悶々としてたのよ」
「綾みたいな極上な身体を・・・勿体無い!」
「ありがとう!あの子を身籠もった時ぐらいだわ・・・主人で満足したのって!十数年の鬱憤を、今日あなたが晴らしてくれた見たい・・・」
「綾、俺達、相性良いだろう?綾、旦那と別れて俺と一緒になってくれ!当然息子も俺が面倒見る!!」
「エェェ!?・・・・・気持ちは嬉しいわ!でも・・・ダメ!主人と別れる気は無いわ!!」
おじさんは首をガックリ落とし落胆していた。母を墜としたと自負があったのだろう。
(よ、良かった・・・)
おじさんが母に告白し、父と別れてくれと言われた時、私はドキッとした。今の母なら承諾すると思ってしまった。でも母は、おじさんの願いを拒否した。だが、私がホッとしたのも束の間、
「でも、主人が飲みに行って帰って来ない土曜日の夜〜日曜の朝なら・・・私は、あなたの妻になります!」
そう言うと、母は結婚指輪を外した。
今日は土曜日・・・
それは、今の母の夫は、おじさんだと言っているようなものだった。
「綾、二人の結婚指輪を買いに行こう!」
「ハイ!あなた!!」
いそいそと服を着替え始めた二人を見て、不思議と悔しさも屈辱感も無かった・・・
母とおじさんなら、祝福出来そうな気分ですらあった・・・
私は、静かにおじさんの家を後にした・・・
完