恋人になる時間A-1
レイはボーダーニットに皺ができないように畳んで、ベッドの脇のサイドテーブルに置いた。
(服を自分で脱いでしまうなんて……)
「レイちゃん……」
つぶやく紀夫の声は切なげだった。カットソーの前ボタンに指が掛かる。
「待って。暗くして……」
紀夫は壁際にいって、部屋の明かりを消した。厚いカーテンの隙間から入ってくる太陽光が男の姿を浮かび上がらせている。
「怖い……」
「レイちゃん、誰もが体験することだよ。愛しあおう」
紀夫はベッドの前で体勢を低くして、レイが着ている白いカットソーの前ボタンを外し始めた。
「渡部さん……」
「ん?」
「私……まだ高校生……結婚とか考えられない」
自分が何を言っているのか、よくわからない。気持ちが乱れていた。
「結婚はゆっくり考えればいい。今は……好きどうし、求めあおう」
指の動きは加速した。カットソーの前ボタンはすべて外されて、花模様のレースがあしらわれたブラが露わになった。ふだん身に着けている白のフルカップブラではなくて、ピンク色の4ぶんの3カップブラだった。
「レイちゃん、いい感じだ」
「私、小さいの……」
紀夫はレイの横に腰掛けて、ピンクブラに包まれている乳房に手を這わせてきた。抵抗を試みても弱い、弱い。
乳房、搾るようにしてきた。そして、手のひらの中で弾力を確かめるようにしてきた。
「ぁっ、ぁっ、、」
ブラ越しにふたつの乳房を交互に愛撫され、そして、ぎゅっと、抱きしめられた。
紀夫の手はレイの背中にあった。カットソーを脱がしてしまおうか。迷った。
カットソー越しにブラのホックを探り当てて指で擦る。
「レイちゃん、ブラ、外していい?」
「……」
前から少女の背中に手を潜り込ませて、ホックを外す。レイは紀夫の左腕を掴んでふるえていた。
(美しい……)
雪のような白い肌。小さなロケットのような型をした乳房は、触れることを躊躇わせるほどの清らかさだ。紀夫は感動していた。
「レイちゃん、綺麗だよ」
乳房の柔らかさに嬉しくなる。手のひらで包み込んで揉みしだくと、とろけそうなほどに――。素敵だ。
「あっ、あっ、ああん……渡部さん、私、もう会えない……」
「どうして?」
「恥ずかしいもの……」
「恥ずかしさはあるけれど、だんだん大人になっていけばいい」
紀夫は少女の耳たぶに熱い息を吹きかけた。