プロローグA-1
渡部紀夫は悩んでいた。恋の相手は高校一年生、三原レイちゃん。年齢差は14もある。
1か月前、中野駅前で偶然に会って、高円寺の自宅に招いた。とりとめのない話をして時間は過ぎるはずだったが、衝動的にくちびるを重ね合わせてしまった。それだけじゃない。セーラー服の上から、乳房を揉もうとした。レイは怒って逃げ出していった。
とんでもないことをしてしまった……。無垢な少女の心を傷つけたのだ。
が、おんなごころは謎だ。
二週間前、レイからメールがきた。「また、会いましょう」とのこと。
おんなごころはほんとうにわからない。