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真奈美の日記
【獣姦 官能小説】

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カミングアウト-2

シャカ、シャカ、シャカ・・ 突然、激しいロックの音楽が鳴り響く。

「あ、ごめん、ちょっと電話が入った」

真琴は学生カバンの中を慌てて探ると、スマホを取り出した。 そして相手先を確認した途端、すぐさま電話に出た。
まだ自分には買い与えてもらった事の無いスマートフォンが今、目の前にある。 真奈美はコーヒーカップを口にしたまま、真琴の操作する仕草をじっと見つめていた。

「・・うん。 うん、わかった」

通話が終わると、ふーっと一呼吸置いてから、真琴は電話の内容を真奈美に話した。

二人が今居る沙夜子の邸宅の敷地内には大型犬が何種類か飼われているが、彼らを世話するヘルパーも何人か働いている。 そのうちの一人が、えさとなる牛肉の調達が完了したので、これから敷地内へ車で運び込むというのだ。
真琴は、敷地内の運搬と彼らのえさの支度を手伝わなければならないのだ。

「ごめん、ちょっと行ってくるよ。30分か40分程度で終わるからね」

「ふーん、そうなんだ。 ここには色んなワンちゃんが飼われてるのね。 あたしも、えさをやるところ見てみたいな」

真奈美の瞳が好奇心で爛々と輝き出す。

「うーん、ごめん。 急いでやらないといけないんだ。 ちょっとキミにかまってる暇は無いんだ」

「えー、 あたし、お荷物なのね。 ちょっとショックだわ」

「あ・・その、そう言う意味じゃないんだ。 この敷地内を移動するには、要所にセキュリティがあって、認証が必要なんだ。 キミはまだ認証登録が済んでないから、一人で自由に行動できないって意味だよ」

真琴は、真奈美のプライドを傷つけないよう気遣い、なだめるようにフォローした。

「網膜認証ってやつさ。センサーの窓に目をあてがうだけで認証できるんだ」

「へえー・・ あ、そういえばマコちゃん、あちこちで鍵穴を覗いてると思ったら、認証してたんだね!」

「ハハハ、覗きとは参ったよ」

真琴は、それじゃあとばかりに、急ぎ足でリビングを後にした。
出て行く彼女の後を目で追っていくと、確かに鍵穴のような物を覗き込んでから、ノブを回してドアを開け閉めしている。

彼女が出て行った後、真奈美はドアに近付き、しげしげと鍵穴を観察し始めた。
少し出っ張った金属の箱のような四角い物が、ドアノブの上に埋め込まれている。 そしてその箱の中央には、鍵穴のようなデザインの小さな窓が付いている。
真奈美は恐る恐る、その中を覗き込んでみた。

(あ、中はぼんやりと光ってるけど・・ 何も見えないわ)

およそ10秒ほど経っただろうか、覗き込んでいた窓の中で点灯していた光が赤色に変わり、ピーと小さな音が鳴った。そして驚いて目を離すと、音が鳴り止んだ。

「あー、 ビックリした! これって認証失敗って事かしら」

試しにドアノブに手を掛け、ドアを開けようと試みたが、力を入れてガチャガチャ回そうとしても鍵が掛かっているようでびくともしなかった。
やれやれと思いながら周囲をぐるりと見回してみた真奈美は、他に出口が無いことに初めて気がついた。

(あれ? てことは、マコちゃんが帰ってこないと、ここから出られないって事?)

一瞬慌てかけた真奈美だったが、はっと我に返り、冷静に考え直してみる。

(マコちゃんは40分くらいで戻ってくるって言ってた。 だから、どこにも行けないのは40分間だけね。 それまで移動できる範囲は・・)

二人が勉強部屋に使っていたリビングルーム、コーヒーを作っていたキッチン、それとダイニングルーム。 部屋の間はオープンになっていて、往来は自由だ。
しかし、真奈美が今必要としているものは、ここには無かった。

(困ったなあ・・ なんだか、トイレに行きたいのよね・・ あと40分だけ、我慢すれば良いんだけど)

ところが突然現れた尿意は、やがて徐々に増大し始めた。 膀胱が風船のようにパンパンに膨らんでいくように感じる。両腿を窄めていないと漏れてしまいそうだ。

(ああ、よりによってこんな時に・・ オシッコ、我慢できないよう)

もう、到底40分も持つとは思えない。 すぐさま、どこかで用を足さなければ漏らしてしまうだろう。

(・・キッチンの流しに出そうか? でも、キッチンによじ登って脚を開くくらいなら、ボールかなにかに出してから流した方が・・)

だが、食事を作る清潔な場所だ。 衛生的にも道徳的にも良いことではない。 それは、母親の躾けに背くことにもなってしまう。

「うーん、困ったよお・・ なんで、こんな時にオシッコしたくなっちゃうかなあ・・」

リビングに戻った真奈美は、ソファーに戻って腰掛けると、テーブルの上の教科書を手に取り、声に出して読み始めた。

「3リットルと5リットルのバケツがあります。このバケツを使って7リットルの分量の水を計るには・・ ああん、5リットルのバケツで7リットル計ったら漏れちゃうじゃないの」

そう言って、持っていた教科書をテーブルに放り投げた。

(あたしも漏れちゃうよ・・)

途方に暮れた真奈美は、もう一度周囲を見回してみた。 すると、リビングルームの大きな窓を通して、正面に広い屋敷の中庭が広がっていることに気がついた。


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