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good communication
【若奥さん 官能小説】

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思い通りにいかなくて-2

だって、上映時間も調べたし、それに間に合うように来たんだよ。


「ちょっと、キャンセルとかあるでしょ!」


ズイッと女の子に詰め寄る私の肩を、輝くんが慌てて掴んだ。


「満席ならしょうがないだろ」


「だって、公開されてからかなり日にち経ってるから余裕で観れると思ったんだもん……」


語尾が弱くなるのは、自分の非に薄々気付いていたから。


今日は日曜日。映画館にとっては稼ぎ時だ。


それでも私が余裕で観れると思ったのは、近所の郊外型ショッピングモールに併設されている映画館の感覚でいたから。


地元の映画館なら、いくら日曜日でも、大人気の映画でも、数週間後には必ずどの時間帯でも空席がチラホラあった。


それが都会の中心地の映画館だとこうも簡単に満席になるものだとは。


チラリと後ろを振り返れば、長蛇の列がズラリと出来ていた。


目的の映画は老若男女が楽しめる、とても面白いファンタジーものなんだそうな。


わかりやすいストーリー展開と、伏線の回収の上手さ、なんてったって鑑賞後の爽快感が受けて、リピーターが多々いるらしい。


絶対ハズレがないと思ったから、私はこの映画をチョイスしたのに、どうして出鼻を挫かれちゃうの!?


やるせない気持ちになって俯く私に、輝くんはふうと息を吐いてから口を開いた。


「里枝、じゃあさ次の上映時間にまた来よう?」


「ダメよ! 次は15時だし、そしたら計画がいろいろ狂っちゃう!」


食事をしたいお店、行きたい場所……。効率よく回るために一生懸命プランを立てたんだから。


それにこの映画は夫婦愛をテーマにしたものらしく、観終わったあと「パートナーへの愛が深まった」なんてアンケート結果が出てたのを、コンビニで立ち読みした雑誌に書かれていたから、見逃すわけにはいかないのだ。



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