四人の女-1
四人の女
瀬戸瑠璃二十七才 エステしゃん。
瀬戸瑠璃は高校一年の二学期に入って直ぐ、クラブ活動で遅くなって帰宅する途中、いつも通る公園の真ん中頃で痴漢に襲われた。十五才の初秋である
「声を出すと、刺す」
背中に何かが当てられて声が出せなかった。
瑠璃は大柄な女であるが、痴漢は抱きしめたまま木の陰に連れて行った。制服の上から乳を揉まれ、スカートの中に手を入れられた。
瑠璃は、そのとき男の体臭が鼻についた。先程の自分に浴びせた脅しの声になんとなく覚えがある。一学期の終わりにクラブ活動で、転校すると挨拶をした二年生の吉田さん?・・・・・・・声を掛けてみようと思ったが、自分もほのかに思いを寄せていた彼であるので、身体の力をぬいって男のなすがままに身をゆだねた。
少し痛かったが、緊張感が抜けていて処女を失うのに友達が話している痛みは感じなかった。母には内緒にしていて二ヶ月目に妊娠を知った。家庭で問題になったが生むという瑠璃の決意に両親に妹は承知した。
それから十年、両親が流行病であっけなく亡くなった。
「瀬戸さんは、この世界は初めてですね。相当きついですよ」
「覚悟しています。子供がいますので、この子のためにも頑張ります」
「子供さんがいらっしゃいますのか・・・・・・、綺麗でスタイルも宜しいし、結構いいお客が付きますよ」
「マネージャの加賀稔侍さん。ネンちゃん、瀬戸さんを浪江さんに紹介して」
「瀬戸さん仕事の細かいことは、浪江さんというのに教えて貰ってください。今日から働きますか?」
「浪江です、瀬戸さんは瑠璃さんという名前で店に出ますか」
「ハイ、そうしたいと思っています」
「店には個室が十室ありますが、女の子は十七人瑠璃さんが入って十八人」
「そんなに」
「午後の1時から店は開けますから、早番、遅番があり、ホテルデリバリーに出向く人もあるから、みんながここに集まるということは、忘年会ぐらいの時ですかね」
「そんなにいらっしゃって、色々と仕事有るんですね」
「瑠璃さん、そのうちに分かってくるから」
「それでは、皆さんもう仕事を始めていらっしゃるんですね」
「昼のお客さんは少ないから・・・・・・、今日から仕事するんでしょう。私について、見ていて御覧、どんな内容かが分かるから」
「ハイ、そうします。服装は」
「どんなパンティー、今日は、見せて御覧よ」
「こんなんですけれど」
「良いよ、パンティーにブラは、自由だから、男が好きそうな物を着てくればいい、替えも、そうだね、六枚は用意しておきなさい。ロッカーはこれが空いているから」
「濡れるんですか」
「内も外もね、分かるよすぐに。制服はこれ、フレアーか、タイトのスカート。瑠璃さんはスタイルが良いからフレアーが似合うかな、上はこの薄いの、か白衣」
「スケスケですね、でも白衣よりこの方が私着てみたい」
「瑠璃さん、スタイル良いし、胸も綺麗だし、お客さん殺到するよ」
「そんなこと、無理でしょう。パンティーもスケスケ、売ってますかね」
「この服を入れている業者に聞けばあるかもね、瑠璃さん、好きそうだね」
「なんとなく、そう自分でも思ってます」
「ナンバーワンになるかも」
その日の四時頃に、フリーの客が、マッサージしてくれますか、と来店した。マネージャの加賀稔侍が、
「浪江さん、若い客なんだが、瑠璃さんの初仕事にどうだろうか」
「オプションは」
「何もないの、マッサージ店と間違えているようだ」
「さっき、研修したから、任せなさいよ、ネンちゃん」
「いらっしゃい、担当の瑠璃です。お掛けになって下さい」
「アノー、肩が凝って頭が痛いので、揉んでください」
「揉んであげますけれど、普通の揉み屋さんとは違いますけれど・・・・・高かったでしょう入店料」
「ハイ、でも何か新しい機械でも使うのかと思いまして」
「そんな物はありませんよ、ここは回春マッサージ、奥さんと一寸エッチが出来なくなった小父さん達が、元気を回復するマッサージ」
「そんなマッサージ・・・・・・回春って、そうか、そういう意味ですか」
「試してみますか?」
「綺麗な人がマッサージ、一寸恥ずかしいですが、お願いします」
「裸になって、シャワーで身体を綺麗にします。大丈夫?」
「瑠璃さんは?」
「裸には成りませんが、それ相応の恰好で、貴方を洗います、隅々まで」
「綺麗なお姉さんに、洗って貰うなんて、光栄だな」