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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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ヘタレですけど-1

自分の不甲斐なさと、州作さんのマジ宣言と、修の本気で怒った顔と、そして俺から目をそらした沙織。


たった数時間で自分に与えられたダメージは相当に大きく、生気が吸いとられたみたいになってしまった俺。


中でも一番のダメージは、やっぱり沙織の態度だった。


自分で蒔いた種とはいえ、彼女から露骨に避けられた俺は、もう立ち上がることすらできないほどで。


結局バーベキューが始まった今も、何もできないままに縁台の隅に座ったまま、ボンヤリ空を仰いでいた。


東の空はすっかり藍色にそまり、西の空もさっきまではあれだけ美しい金色の光で水面を照らしていたのに、今じゃ風前の灯火みたいな弱々しい光に変わり、ゆっくりその姿を隠そうとしている。


見事なまでの快晴だったから、今日は星がキレイだろうし、流れ星が見れるかも。


流れ星が願いを叶えてくれるのなら、俺の願いはただ一つ。


沙織とやり直したい、それだけだ。


沙織がもう一度俺の隣で笑ってくれるなら、もう何もいらない。


沙織とヤれなくたって構わない。


だけど、それはもう叶わない願いだってことも、心の中でわかっていた。


すっかり俺に愛想を尽かせた沙織だったけど、悄然とする彼女の様子にわずかな望みをかけていた。


まだ、俺を好きでいてくれるから、この状態に塞ぎこんでいるんだ、と。


だからその間に、土下座してでもさっきのことを謝って、もう一度やり直そう、そう思っていた。


でも、そんな簡単にコトはうまく運ばない。


マジ宣言をした州作さんの、猛攻撃が始まったんだ。


それは、バーベキューの準備をしてる時のこと。


セッティングも終わり、炭にも火が点き、野菜も肉も後は焼くだけというそんな状況で、軽い休憩をしている時だった。







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