私が結婚しない理由(わけ)-6
「おーう、加奈ちゃん、お帰り〜、この電車だったんだー、早いね、次の18時の便だと思ってたよー、あのさあんまり、いきなり押さないでよ、ホーム落ちちゃうよ。」
渡井の横にぴったりまとわり付く加奈子。
「今日は、渡井さん、夕方勤務終わりでしょ、だから早く帰ったの!夕飯一緒だね。」
彼女は嬉しそうに言う。
「あっ、加奈ちゃん、ゴメンね!今日急遽、山口先輩が交代にこれなくなり、このまま、駅泊まりになった!」
「えー!残念〜.だから、山口さん、泉津の駅にいたんだー変だと思った。あいつーぅ」
「まあ、ローテーションだからさっ、先輩も色々あんのよ。」
彼女は少し、ふてくされ、でも気を取り戻し、
「なら私、お弁当作って届ける。」
「ほら、それもこれ、今の電車で泉津駅の本社から弁当届いたよーん。」
渡井は、今、運転士が持ってきた弁当の包み袋を見せた。
「えー、泉津から私と一緒にこの弁当も来たの。」