私が結婚しない理由(わけ)-10
4
ある日曜日の昼頃、加奈子が接祖駅にやって来た。今日は学校は休み、制服姿ではない。
清楚なノースリーブの水色のワンピースを着ていた。美少女にふさわしい格好というか...爽やかだ。
この日渡井は昼間勤務終わりと、久しぶりの変則勤務。
しかし、交代の山口の事情もあり、その日の夕方また勤務開始となる。
山口はその暫くの間、駅員を引き継ぐ為、泉津駅から先程通過した貨物列車に便乗して接祖の駅に来ていた。この貨物列車は接祖駅には停まらないから、彼はホームで運転士が降り易い様減速してくれている中、貨物列車の車掌車デッキからホームへ飛び移る。渡井はその姿を、ホームで貨物列車を見送りながら見ていた。
「先輩〜着地、上達しましたねぇ〜.この前、よろけてませんでしたぁ-?(笑)」
渡井は山口をからかった。
「お前なあ〜、俺は一度たりとてよろけたことはないぞ〜(笑)」
渡井の尻を山口は軽くふざけてキックする。