吸血餓鬼-1
玲奈は彼氏が出勤した時間を見計らいマンションへ戻った。辺りを気にしながら車を降りマンションの入り口に立つ。ロックの解除コードを打ち込むとドアが開いた。
「3632ね。」
いきなり背後から声が聞こえた。驚き振り向くと竜彦が覗き込んでいた。
「!?」
驚きすぎて声も出ない。竜彦は玲香の肩に手を回し前へ進む。
「なぁ、解除コードや部屋の鍵、変えるなよ?ククク、じゃあお部屋にお邪魔するとしようかな。」
「い、嫌…」
若干声が震えていた。
「嫌とか言う権利ねーし。なんならマンションの皆さんの部屋におまえのセクシーショットでもバラまいてやろうか?」
「や、止めてください!」
「なら逆らうな。おまえは既に俺の奴隷だ。逃げるものなら逃げてみろ。日本中、いや世界中におまえのセクシーショットをバラまいてやるからな。」
「…」
玲香はどうしようもなく背中を押されるようにエレベーターに乗り部屋へと向かう。部屋の前に立つと開錠を躊躇う。
「おまえの鍵の番号は控えさせてもらった。仲間が合鍵を作る予定になってる。無駄な抵抗は止めろ。」
竜彦は玲香の尻を撫でる。
「嫌…」
「朝からエロいワンピ着やがって…。勃起しちまうぜ!」
執拗に尻を撫でる竜彦。
「ほら開けろ。」
玲奈は観念し鍵を開けた。
「始めから素直に開けりゃいいんだよ。」
竜彦は我が物顔で先に部屋の中にはいる。
「へぇ〜、さすがにいい部屋だな。俺達から騙し取った金でいい暮らししてやがる。」
「これは私が働いて稼いだ…」
玲奈の言葉を遮るように竜彦は玲香の頭を叩く。
「うるせぇ!」
「きゃっ!」
小さくなり萎縮する玲香。竜彦は部屋を進む。
「いや〜、ムカつくほどいい暮らししてんじゃん!スゲースゲー。」
部屋を見渡す竜彦の目には高級そうな家具や家電製品が映る。
「でもこの暮らしもそろそろフィニッシュだけどな?ハハハ!」
高笑いする竜彦。玲香は体を震わせて立ち竦んでいた。