晒された少女-1
「どう?なんか出てきた?」
パイプ椅子で膝を組んだ少女が、きりきりと眉毛を吊り上げていた。
「あたし知らないってば!何回言わせたら気がすむわけ?頭悪いの?」
少女は下着姿だった。
腕組みをしているのでよく見えないが、水玉模様の3/4カップブラが発育途上の胸元を覆っている。
腰のあたりに見えるボーダー柄ショーツも、組んだ足でなかば隠れていた。
着ていた制服は、数名の男達がパンパンと叩いたり、裏返したりしていた。
それとは別に、会議用のテーブル越しに、少女と対峙する男がいた。
「はいはい、パクられた奴ァみんなそう言うんだよ。ええと……ああ、サヤカちゃんね」
男は少女の生徒手帳を眺めながら、
「で、サヤカちゃんは、なんで万引きなんかしたの」
彼らは少年課の刑事であった。
といっても身にまとう雰囲気は、そのへんのチンピラと大差ない。
警察の腐敗が社会問題となって久しいが、なかでも○○署はフダ付きだった。
サヤカはこたえるかわりに、フンとそっぽを向いた。
「あ、そういう態度に出ちゃうわけ」
なかなか気の強いところがあるらしい。
ただ、今回ばかりはどう見てもクロだった。
何しろ現行犯だから、どうしようもない。
もっとも彼女がくすねたのは、安物のピアス一対のはずだが……。
「しかしまあ、よくもこんだけ盗んだもんだよなあ」
刑事は店が訴えたという盗難品のリストを読み上げた。
「貴金属、化粧品、高級時計……盗りも盗ったり。出来心で持ってくようなもんじゃねえなあ、これは」
「だから、あたし知らないってば!」
「しかし被害届が出てるんでね。確かに出てきたのはピアスだけだが……どこに隠した?」
「知らないって言ってるでしょ。しつっこいな!」