晒された少女-6
「いや、お見それしたよ。なかなかいいもん持ってるじゃないか」
「うるさい!」
「将来、いいチチになるよ、うん」
軽口を叩いてゲラゲラ笑う刑事たちとは対照的に、サヤカは血の気がなくなるほど拳を握り締めていた。
「じゃあ、そろそろラスト1枚、いってみようか」
「や……や、やっぱり、これも……」
「そりゃそうだろ。パンツに白い粉を隠す奴だって少なくないんだぜ?」
「………」
サヤカは美しい眉毛を吊り上げたまま、両手を腰にあてがった。
まだそれほど鋭角的でないウエストのくびれから、丸みをおびたカーブを描くヒップのライン。
シミひとつない、白く滑らかなお腹には小さな臍が見え、なだらかな丘をみせる下腹部へと続いている。
今や彼女の裸身を隠すものは、そこにある小さな逆三角形の布地だけだった。
その最後の1枚を、今から脱がなければならないのだ……。
「そうよ……こんな連中、じゃがいもだと思えばいいのよ」
と小声で自分を励ますが、サヤカは親指をショーツの縁にかけたまま、動けなくなっていた。
「じゃがいも、じゃがいも……」
「おいおい、何をブツブツ言ってるんだ?」
「うるさい!放っといて!」
「どうしたんだよ。固まっちまってるようだが。手伝ってやろうか?」
「うるさいったら!」
しかし腕に力を入れかける度に、ふんぎりがつかず止まってしまう。
そんなサヤカの様子をみて、刑事たちは明らかに面白がっていた。
彼女にもそれがわかるのだろう。
目を合わさぬよう床の一点を見つめながら、勇気を振り絞ろうとしている。
先程までは耳まで真っ赤だったが、今はむしろ青ざめていた。
そうしているだけでも、相当に気丈な性格といえた。
普通の女子ならその場で崩れ落ち、泣き出していてもおかしくなかった。