晒された少女-4
“主任”は続けた。
「しかし我々の利害は一致した。ともかくも君は自由になってここを出たいし、我々は手間を省きたい……わかるかね?」
「……わかる」
「よろしい。であれば、ピアスの他に余罪がなければ、今回は目をつぶろう」
「あ、ありがと!」
「おいおい、早合点してもらっちゃ困る。他に盗んだものがなければ、と言ったんだぜ」
“主任”の口調がもとに戻った。
「だから鞄とか制服とか調べたんでしょ。何もなかったじゃない」
「まだ隠すとこがあるだろうが」
「え?」
何を言わんとしているか、理解するのに数秒かかった。
「え?ええ?」
「そいつも脱ぎな」
「えええええ!?」
「素っ裸になるんだよ」
自分の姿を思い出したように、サヤカは姿態を細腕で隠そうとした。
さっきまではふて腐れて足を組んだりしていたのだが、その前は別室を用意しろだの、婦人警官を出せだのと言って手こずらせたのだ。
もっとも子供とはいえ女性である以上、立ち合いに婦人警官を用意するのは警察の義務であるはずだが……。
「む、無理!無理だから!」
「ふうん」
“主任”は気のない態度で、サヤカの抗議を受け流した。
「俺達はどっちでもいいけどね。面倒だが親御さんに来てもらうか。学校へも連絡だな。初犯なら家裁送りにはならんと思うが」
「く……!」
サヤカはパイプ椅子に座り込んで考え込んだ。
他の刑事たちは彼女の制服を籠に入れ、立ったまま彼女の様子を窺っている。
部屋には“主任”の指が机を叩く、コツ、コツという音がするだけだった。