第一話-4
曇天の為もあり、中も大分暗くなってくると、おじさんは、蝋燭(ろうそく)と懐中電灯を点けた。それでも中は薄暗く、よくこんな不気味な所に一人で住めるなぁと私は思ったのでした。
しばらくして、外から物音が聞こえた為、私はドラム缶の後ろに隠れ様子を伺っていると、中の様子を伺うように、一人の人影がゆっくり近づいて来た。女性のようなシルエットが、物音立てないようにしながら近寄って来るも、私にもおじさんにも丸わかりだった。
「何かようかい!?」
おじさんが声を掛けると、人影はビクッと驚くも、意を決し、近付いて来ると、髪を束ねて短めのポニーテイルをし、上は薄いピンクのカーディガンに、下は紺色のジーンズ姿の母が現われた。表情を強張らせた母は、
「ひ、昼間はゴメンなさい!でも、あなたがあんな事するから・・・」
「そうだな、こっちも悪かったよ!所で、こんなに暗くなってからやって来る何て・・・さっきの続きでもしに来たのか?」
「バ、バカ!違うわよ・・・ねぇ、此処に私の息子が来た筈何だけど?」
母は私の事を捜しているのか、周辺をキョロキョロするも、薄暗い室内では私が居るかどうか分からないようで、おじさんに聞くと、
「誰かは知らねぇが、確かに誰か来たぜ!誰だって言ったら慌てて逃げていったから、あんたの息子かどうかは分からないがな」
「そ、そう・・・なら良いの!お邪魔したわね!!」
母が踵を返して帰ろうとするも、天は母を見放したかのように、昼間のように雷がゴロゴロ鳴り出し、辺りを稲光が照らした。
「キャァァァ!」
雷が苦手な母は、思わずしゃがみ込んだ。ゴロゴロ鳴っているだけならば、昼間のように耐えられたのだろうが、稲光を見ては、母もどうする事も出来なかった。おじさんは口元に笑みを浮かべ、
「この雷じゃ危ないぜ?また雨も降りそうだし、此処に居た方が良いぜ?」
「エッ!?・・・い、嫌よ!キャッ!!」
嫌がる母だったが、稲光が再び辺りを照らした。帰りたくても、母の足は震えだし、歩く事も出来ないかのようだった。
「じゃ、じゃあ、雷が収まるまで・・・」
「ああ・・・でも、雨も降ってきたようだぜ?」
おじさんの言葉を現わすように、ポタポタ廃工場内に降ってきた雨が、徐々に雨音の強さを増していった。母は困惑気味にしながらも、おじさんの居る奥に来るしかなかった・・・
「もうちょっとこっちに来いよ!」
「嫌!ここで十分!!・・・でもあなた、よくこんな薄気味悪い所に一人で居れるわねぇ?」
母は周りを見渡すと、眉根を曇らせながらおじさんに問い掛けた。おじさんは笑いながら、
「ハハハハ、雨風凌げれば何所だって良いさ!」
「そ、そうなの!?」
母は理解出来ないと言いたげな表情をしながら、早く雷が収まらないかしらと、不安そうに外を見て居た。再び稲光が光り、母がキャッと悲鳴を上げたのをこれ幸いにと、おじさんが母に近づき、右手で母を抱き寄せると、
「い、嫌・・・離して!」
逃れようとするも、雷を恐れ力が出ないのか、私には母が心底拒んでいるようには見えなかった。
おじさんはそのまま母の顔に自分の顔を近づけると、母は嫌と言いながら、顔を背けようとするも、おじさんは強引に母の唇を奪い、そのまま抱き上げた。母はおじさんの手を何度も叩くも、おじさんは、何処かで拾ってきたのか、所々敗れている古びたベッドと、その上に敷いてあるセンベイ布団の上に、母を押し倒した。
「イヤァァ!お願い、止めてぇぇ!!」
母が嫌々をすると、束ねていたピン留めが取れ、母はセミロングの髪になりながら暴れた。おじさんは鼻息荒く、
「奥さん・・・好きだぁぁ!!」
「止めて!私には、夫も子供も居るの!!イヤァァ、誰かぁぁぁ!!!」
母の抵抗を弱めるように、稲光が廃工場を照らすと、キャァと言いながら、母の力が弱まり、おじさんは楽々母のカーディガンを脱がし、ジーンズのボタンを外し、チャックを下ろした。カーディガンの下には、薄い紫色のシャツを着ていて、それを捲り上げ、母の尻を持ち上げ、ジーンズを膝まで下ろすと、クリーム色をしたスリップが露わになった。
「イヤイヤイヤイヤ!お願いだから、止めてぇぇ!!」
必死におじさんに哀願するも、そんな願いも叶う訳もなく、おじさんは母をバンザイするような格好にすると、薄紫色のシャツを脱がした。おじさんの前に、母は再び胸の谷間を披露し、おじさんはオォォォと響めいた。
私は、その光景を見て勃起していた・・・
私にそんな性癖があったのを思い起こさせてくれた瞬間だった・・・