裕也だけの主任 4-4
そのデスクの上には、折り畳まれた毛布がクッション代わりに敷かれていた。
そしてそこに、主任が上半身うつ伏せに寝かされていたのだった。
椅子は背もたれを前に置かれ、主任は両膝を椅子のクッションに乗せた状態で、両足が開くよう椅子の肘掛けに縛られていた。
両腕は後ろ手でにされ、手首はタオルの上からコードで巻かれている。
しかし、裕也が最も驚いたのはその着衣だった…。
たまにオフィスで着ているスーツの上着、それから黒いヒール。
主任は上半身裸のままその上着を着させられ、そして下半身はパンティーだけの姿でお尻を突き出し、ヒールを履かされていた。
「希美に見つかんないよう、コッソリとバッグに入れてきたんだよ。このシチュエーションのほうが萌えるんじゃない?」
裕也は言葉を失い呆然としていた。
別に綾瀬主任の指導に不満がある訳でもなく、ミスをするのは自分自身だ。
だから恨みつらみなんてこれっぽっちも無い。
ただ、綾瀬主任は仕事が出来過ぎで、自分はついていけないのだ。
確かにミスを指摘されて面白いはずはないが、綾瀬主任が他の男子のミスを指摘している様子は、妬けてしまってもっと面白くない。
(そうだ、美人でスタイルが良過ぎる主任がいけないんだ!だから俺は仕事に集中出来ないんだ。部下とは言え、年下の男を叱ってばかりいる年上の女はちゃんと懲らしめてやらないと!)
(それに、寿輝さんは寝取られ願望があるって言ってたから、その設定でいくか!)
裕也はそうすることで、このチャンスをもっと楽しんでやろうと思った。
「おい、裕也?どうした?」
「えっ、あ、ちょっと考え事してました。綾瀬さん、さっきテーブルの上にあったウイスキー少し飲ませて下さい!」
「いいけど…なんで?」
「少し酔った勢いで今夜はいきたいんで。綾瀬さんここまでしてくれたんで、俺も張り切らなきゃ!ちょっと汚い言葉とか、綾瀬さんや主任を呼び捨てとかいいすか?」
「ほぉ〜、それはいいねぇ…ちょっと待ってろよ!」
裕也は寿輝が持ってきたウイスキーをグラスに半分注いでストレートで飲み干した。